そんなお笑い芸人の受験企画の名作として語り継がれるのが、1999年に『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)内で行われた、ナインティナイン岡村隆史の筑波大学ならびに早稲田大学受験企画である。
この企画は、番組内で「最強素人」と呼ばれたヨモギダ君の大学受験に合わせて行われたものである。筑波大学を志望するヨモギダ君に対抗し、岡村も大学受験を決意する。この時、岡村は28歳。岡村は高校卒業後、1年間の浪人生活を経て立命館大学に進学している。だが、芸人活動が多忙となったため中退している。その心残りもあったようだ。
各教科ごとに専属の家庭教師をつけて猛勉強に挑むも、最初の難関であるセンター試験で玉砕してしまう。数学に至ってはわずか4点しか獲得できなかった。そのため筑波大学は「足切り」に遭ってしまい、二次試験は受けられなかった。
そこで、岡村は私立大学の早稲田大学第二文学部へ志望をシフトする。この年、女優の広末涼子が同大学の教育学部に自己推薦入試で入学(その後中退)しており、広末を追って早稲田を目指すことにしたのだ。第二文学部は、後にそのまんま東(現・東国原英夫)が入学することでも知られ、夜間学部で社会人学生も多い「マジな志望」であった。
いざ試験当日、小論文試験の課題で出されたテーマは「笑いについて」であった。これは、まったくガチンコの奇跡であった。岡村は「カリカリと書いていった」と言うが、やはり英語・国語の点数が足りなかったのか不合格。最後に、相方の矢部浩之から「受かるはずあるか」とツッコまれ、笑いが起きていた。ただ、岡村が仕事の合間を縫って猛勉強していたのは事実であり、「めちゃイケ」テイストが溢れる感動のドキュメント企画であったと言えるだろう。