19年大会で敗者復活戦に残ると、生放送中に野田が気温9度の寒さの中で上半身を脱ぎ、裸になってアピール。スタジオの上沼に「恵美ちゃん、待っててね~」とラブコールを送ったが、「まったく分かりません」と冷たく返された。しかし、お笑いファンの好感度はさらに上がり、「上沼VS野田」はM-1放映中、ツイッターのトレンド常連になっている。
“関西の女帝”においしくしてもらえた野田。それでも、テレビという名の表舞台で活躍できるに至っていないが、実は思わぬ業界で神と崇められている。
「ゲームアプリの世界で、です。趣味が高じて、16年から『野田ゲー』と題したゲームアプリを制作する側に回り、3月に『ブロックくずして』、『寿司』、『ボルダリング姉さん』をApp Store、Google Playにリリース。自分で繰り返しプレイするうちに、難易度が上がり、誰もクリアできないゲームになったこともあったといいます。翌17年9月に『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)に出演したときは、ゲストでやってきた俳優・佐藤健さんのために、佐藤さんが主人公のゲーム『タケルタンX』を制作。ご本人は大喜びでした」(テレビ誌の取材ライター)
コンピューターのプログラミングが得意。昨年は、今田耕司、東野幸治、雨上がり決死隊らが出演する「本能Z」(名古屋CBC)で、吉本興業が運営するお笑い養成学校・NSCを舞台とした恋愛シミュレーションゲームをプレゼン。同じくM-1ファイナリストのニューヨーク・屋敷、ラフレクラン・西村といった実在するイケメン芸人たちを登場させ、先輩たちを感嘆させた。
同年秋には、およそ1カ月の間で5種類ものアプリを制作。ゲーム番組「勇者ああああ~ゲーム知識ゼロでもなんとなく見られるゲーム番組~」(テレビ東京系)でそのうちの1つ「すごいことになりそうだ!!組体操合戦」を紹介すると、12月に製品化された。
いわゆる“落ちゲー”の類。落ちてくる人間の形に合わせて技を組むと、相手の陣地に「やる気なしくん」を送り込めるパズルゲームだった。それを大幅に改良、オンライン対戦もできるようバージョンアップして、発売された。
リリース2日後のゲームアプリランキングでは、94位に。95位だった「モンスト」こと大人気アプリ「モンスターストライク」を上回ったとあって、“モンスト超え芸人”を名乗れるようになった。
上沼に目の敵にされたのは今も昔。“天才ゲームクリエイター”を襲名するに値する野田が、お笑いで獲れなかった天下をゲーム業界で手に入れる日がやってくるかもしれない。
(伊藤由華)