彼は、ストッキングが大好きな人でした。ストッキングを穿いている状態の私でなく、脱ぎ捨てられたストッキング自体を好むのです。なので、いつからか、私と会った日はストッキングを渡すというのが当たり前になりました。普通に1日デートした時は、最後、コンビニで彼が新品のストッキングを購入。そして、私がそれをトイレで穿き替えて、今まで穿いていたものは彼が持ち帰るというもの。さすがに外で、ストッキングを触ったりはしませんが、彼は家に持ち帰って臭いを嗅いでいたようです。部屋で脱いだ時は、すぐに嗅ぎながら、「このつま先あたりが、ツーンとして最高なんだよね」と言っていました。
また、ベッドの上ではその趣味がさらにエスカレートして、ストッキングを頭から被るんです。臭いを常に感じながらシタいとかで、とても興奮していました。しかし、私の視点からは、顔の潰れた男が一心不乱に腰を振っているわけですから、ホラーですよね。なるべくそれを見たくないから、電気を消してほしいと頼んだこともあるのですが、受け入れてもらえませんでした。
でも、別れを決意したのは、別の女性のストッキングを彼の部屋で発見した時ですね。最初は浮気を疑ったのですが、彼はそれを否定。なんと、ゴミ捨て場を漁って見ず知らずの女性のストッキングを持ってきたというのです。もうここまでくると、私は付き合っていくのが怖くなり、別れました。今でもバラエティ番組などで、芸人さんがストッキングを被っている姿を見ると、その彼のことを思い出します。
写真・mislav-m