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米国vsイラン「第三次世界大戦」危機 窮地に立たされる韓国と北朝鮮の末路

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提供:週刊実話

 年明け早々の1月3日、イラン革命防衛隊の精鋭・コッズ部隊のカセム・ソレイマニ司令官が米国によって殺害された。イラクの首都バグダッド付近の国際空港で、ソレイマニ氏の乗っていた車列が米軍の放った無人飛行機によるロケット弾で攻撃されたのだ。

 イランの最高指導者であるアーリー・ハメネイ師は同日、SNS上で「手を血で汚した犯罪者を待っているのは厳しい報復だ」と宣言。実際、8日に米軍のイラク駐留基地2カ所をミサイルで攻撃した。米国によるイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官殺害は、イランによる国家レベルの報復攻撃に発展したのだ。

「1月8日、トランプ大統領は『イランによるミサイル攻撃の死傷者はない』としてイランへの軍事攻撃を見送ったことで、戦争は回避しました。ただ、依然として中東情勢は緊迫した状態が続いています」(国際ジャーナリスト)

 まず、今回の危機を理解するためには、米国とイランの長年続く対立構造を理解しておく必要がある。

 1979年にイランの革命指導者ホメイニ師が親欧米だったパーレビ王政を打倒。欧米との関係が一気に悪化する中、イランの首都・テヘランの米国大使館が過激派に占拠され、大使館員ら52人が1年以上(444日)にわたって人質となった。この事件をきっかけに米国とイランは断交。その後も、イランの核開発問題が発覚するなど、米国とイランはことあるごとに対立し、現在に至っている。

「ソレイマニ氏は、イランで英雄と呼ばれる人物で、ハメネイ師の評価も高かった。事実上、イランのナンバー2の存在です。ソレイマニ氏の殺害は報復を招き、中東情勢がさらなる混乱に陥るリスクがあるとの懸念から、ジョージ・W・ブッシュ、オバマの両政権時は殺害計画を実施しないと決定したほどの超重要人物です」(国際政治学者)

 トランプ氏も大きなリスクがあることを分かっていたはず。それなのに、なぜソレイマニ氏の殺害に踏み切ったのか。

「9日、トランプ氏は記者団に『我々は完全なモンスターを捉えて排除した。ずっと前に排除すべきだった』と指摘。その上で、ソレイマニ司令官を殺害した理由を『彼らが米大使館の爆破を企てていたためだ』と説明しています」(同)

 国防総省高官らはトランプ氏の発言を裏付ける形で、ソレイマニ司令官が関与した複数の計画について情報を入手していたことを明らかにした。爆発物を使って米大使館を攻撃する計画もこの中に含まれていたというが、ある米高官は米紙ニューヨーク・タイムズにて「攻撃情報は根拠が薄い」と指摘。その理由として、ハメネイ師が司令官に攻撃の承認を与えていないとの情報も米政府は把握していたことを挙げた。

★中国とロシアが米国非難

「トランプ氏の現在の最優先事項は、今年11月に実施される大統領選です。国民に、イランに対して弱腰であることを見せるわけにもいかず、強気の姿勢で押し切る必要性に駆られた行動というのが殺害の本当の理由です」(前出・国際ジャーナリスト)

 また、歴代の大統領がやろうと思えばできたのに様々な配慮から実行してこなかったことを実行するスタイルは、トランプ氏の専売特許だ。

「『今までの大統領にはできないことを自分は実現した』という姿を国民に見せたいという思いもあったのかもしれません」(同)

 理由はどうであれ、これまでの米国大統領が恐れて実行してこなかったソレイマニ氏の殺害を、トランプ大統領は実行した。しかし、この決断が世界情勢も緊迫させている。

「ソレイマニ司令官が米軍に殺害されたことを受け、中国とロシアの両政府の外相が、ともに米国を非難しました。昨年12月27日には、中東のホルムズ海峡につながるオマーン湾などで、イラン、中国、ロシアの海軍による合同軍事演習も行っています。米国とイランが本格的に戦争を始めたら、イラン側にロシアと中国の“レッドチーム”が加わっていたでしょうね」(軍事アナリスト)

 一方、イギリス、フランス、ドイツなどの西側諸国はNATO(北大西洋条約機構)同盟国の義務として、米国側に付くことになる。もし米国が反撃していれば、世界各国を巻き込んだ「第三次世界大戦」に発展していたかもしれないのだ。

 もし戦争になっていれば、もちろん米国の同盟国である日本も影響を受ける。中東に派遣される自衛隊が危険にさらされることになるし、イランは親日国と言われているが、日本が何らかのテロ攻撃を受ける可能性も高まる。

 さらに心配されるのが、北朝鮮の“暴発”だ。

 何しろ現在の北朝鮮は、経済制裁で青息吐息の上に農作物の不作にあえいでいる。人手不足で重労働に駆り出される朝鮮人民軍の不満も高まり、「いつクーデターが起きてもおかしくない」状況で、北朝鮮の国内は極めて不安定な状態だからだ。

★日本は円高傾向で大打撃

「金正恩党委員長はこのままだと、軍や国民の不満を抑え切れないことをよく分かっていますし、イランの核開発は北朝鮮の助けがあったと言われています。ですから、米国・西側諸国連合VSイラン・ロシア・中国という構図になれば、北朝鮮は嬉々としてイラン側に加わったでしょう」(北朝鮮ウオッチャー)

 しかも、正恩氏は昨年12月末に開いた党中央委員会総会の演説で、「世界は遠からず『新型戦略兵器』を目にする」と語り、核開発や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験について、一方的に公約に縛られる理由はもはやなくなったと宣言した。米国への挑発行動を激化させ、ミサイル発射実験を繰り返すことが予想される。

 ただ、その場合は米国が正恩氏を暗殺するために進めていると噂される「斬首作戦」を決行する可能性がある。
「米軍特殊部隊が北朝鮮に潜入して、金正恩氏を殺害する、あるいは捕縛する軍事作戦については、正恩氏までたどり着くことが極めて難しく、捕縛や殺傷に至ることはできないと思われていました。しかし、今回のソレイマニ氏と同様の無人飛行機による殺害方法であれば、成功の可能性は高いでしょうね」(軍事ジャーナリスト)

「斬首作戦」決行の可能性が高まるほど北朝鮮が反米傾向を強める一方で、窮地に立たされているのが韓国だ。
「米国は昨年から、中東からの原油輸出の要衝であるホルムズ海峡の安全確保を目指す『国際海洋安保構想(IMSC)指揮統制部編制』(いわゆる有志連合)への参加を韓国に何度も要請してますが、韓国はそれをかわしながら、独自にホルムズ海峡を行き来する韓国船舶の保護をする案を考慮中です」(韓国ウオッチャー)

 これに業を煮やしたハリス駐韓米大使が1月7日、韓国テレビのインタビューで「韓国が(中東に)兵力を送ることを希望する」と語り、文政権に派兵の決断を迫っている。
「その一方で、サイド・シャーベスタリー駐韓イラン大使は9日、中央日報の単独インタビューに応じ、韓国が中東に派兵する場合、韓国と断交の可能性に言及しています。まさに板挟みの状況です」(同)

 北朝鮮との統一国家樹立を目指す文在寅大統領にとっては、中東情勢の変化は想定外の事態だった。
「ひとつ判断を誤れば国家存亡の危機です。有志連合入りを拒否して米国を裏切るのか、はたまた米国側につくのか。国内経済の不振、検察バトルを繰り広げて支持率が低迷している文氏は、この決断がターニングポイントになりそうです」(前出・国際ジャーナリスト)

 半島情勢にも影響を与えている米国VSイランの対立構図は、現状、イランの報復は一度にとどまり、トランプ氏も矛を収めたことで、いったんは落ち着いた。

 とはいえ、すでに米国とイランは戦争状態にあるといっても過言ではない。イランは米国との間で火種となっている核開発を今後も進める方針であり、いつ全面戦争に発展してもおかしくない状況だ。

 また、このまま冷戦状態が続くだけでも、世界経済は大ダメージを負うことになるだろう。
「日本でも年明けにはリスクを回避するべく株が売られ、大幅に日経平均が下がり、安全資産といわれる円が買われました。トランプ氏が戦争回避に動いたことで落ち着きましたが、中東が不安定になればなるほど、円高傾向は強まり、輸出大国である日本は大打撃を受けることになります」(大手証券会社アナリスト)

 日本は中東に原油や天然ガスなどエネルギーの大半を依存している。戦争、または冷戦で日本に原油や天然ガスを運ぶ航路が寸断される可能性も高い。

 半島情勢も含め、まだまだ予断を許さない状況が続きそうだ。

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