経済部記者がこう語る。
「理由は、36%の支持を得ながら敗れた父親の大塚勝久前会長(71)が、総会直前に『一度や二度では諦めない』と吐露したためで、一敗地にまみれても逆襲に出ることを示唆したからなのです。そのため、久美子氏側もこれを警戒し始めたともっぱらなのです」
ちなみに、この不気味な発言がただの脅しでないのは明らか。というのも、勝久氏は18%前後を保有する同社の大株主。加えて総会が終わった現在も、久美子氏側に付いた同社の資産管理会社が保有する10%のうちの7%の株が不当だとして裁判で争い続けているからなのだ。
「裁判の争点は、同社が管理する大塚家具株の返還になるわけだが、勝久氏は裁判の末に同社管理の10%の株全てを奪い取る方針を示しているという。また、久美子氏側に付いた米投資会社は総会時に11%の株を保有していたが、後日6%を売却。この多くを勝久氏側が購入したといわれ、今後バトルが再燃する可能性が高いのです」(同)
もっとも、こうした勝久氏側の動きは久美子氏も織り込み済み。
そのため、“逆襲封じ”の奇策が進行しつつあると評判なのだ。
「防衛策の筆頭が増資で、勝久氏側の持ち株比率を大幅に下げてしまおうという作戦です。また、業績悪化で社長を解任されてはたまらないとして、久美子氏側は当初主張していたニトリやIKEA路線とは一線を画し、ディズニーとのタイアップも視野に入れ始めている。さらにアウトレット商品の拡大、今回の騒動における『謝罪バーゲン』などを行い、勝久氏側の攻撃の霧消化を狙っているのです」(経営コンサルタント)
父娘バトルはまだまだ続きそうだが、果たしてかぐや姫に春は訪れるのか?