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日本人メジャーリーガーはどうなる? 「田沢純一=レッドソックス」 復活マウンドは連投役のセットアッパーか…

 メジャーキャンプに参加していたが、オープン戦の突入と同時にマイナー施設に移動。田沢純一(24)は本格的なピッチングをまだ再開させていない。

 田沢がメジャー挑戦を表明したのは2008年ドラフト会議前。過日、NPBは「日本帰還後のペナルティー」など新たな規則を設け、人材の流出阻止に躍起になっていた。田沢は日本のプロ野球を経験せずにアメリカに渡った3人目の選手となった。過去2人の挑戦者と違うのは「マイナー契約」ではなく、いきなり「メジャー契約」ができたこと。NPBが人材流出の危機を訴えたところからしても、将来性バツグンの好投手と目されていたわけだ。実際、1年目の09年は先発マウンドを経験するなど、その期待に応えた。しかし、昨季は故障に泣いた。右ヒジ靱帯損傷が見つかり、移植手術を受けている。
 前述のマイナー施設への移動はリハビリの一環だが、「シーズン中盤、フランコーナ監督からお呼びが掛かるのではないか?」とも予想されている。

 オープン戦にも帯同させず、慎重にリハビリをさせている投手を、何故、シーズン中盤に昇格させなければならないのか−−。今季のボストンレッドソックスは、リリーフ陣に不安を抱えていた。
 先発スタッフは松坂大輔が当落ラインのギリギリにいるくらいだから、かなりの層の厚さである。だが、クローザーは“危険”だ。今季もジョナサン・パペルボン(30)を予定しているが、昨季は、ライバル・ヤンキース戦に10回登板して「被本塁打4、与四球9、総失点11」(10イニング)と不甲斐ない結果に終わった。救援に失敗したのは、ヤンキース戦だけではない。シーズンを通してなんとか37セーブは上げたが、回転が悪くなったのか、自慢のストレートで空振りが取れなくなってきた。豪腕、快速球のイメージは完全に薄れ、首脳陣はオフに『サブ・クローザー』を探したが、失敗した…。前ホワイトソックのボビー・ジェンクス(29)しか残っていなかったのである。
 「ジェンクスは150キロ台前半の真っ直ぐと、スライダーが武器。通算173セーブを挙げていますが、ホワイトソックスはシーズン終了と同時に『契約更新はない』とダメ出ししています。セットアッパーならまだやれるかもしれませんが、1点を争う9回を託すのは危険」(米メディア陣の1人)
 パペルボンもそうだが、クローザーは30歳前後で年齢的な壁に直面するらしい…。

 パペルボンがコケたら、ジェンクス。そのジェンクスにも不安要素が…。両方がコケる可能性も高く、そのときは「岡島、アチソン、ウィーラーの中継ぎ陣が日替わりクローザーとなる」というのが、米メディアの大方の予想だ。当然、シーズン突入後の補強も視野に入れているとされ、「先発スタッフの誰かが交換要員になる」という。(松坂の周辺が騒がしいのはそういうことか…)

 レッドソックスはブルペン陣の補強を迫られる。そのとき、「コントロールの良い田沢が真っ先に呼ばれる」というのも、大方の予想だ。将来的には先発5人枠を争わせるつもりだが、当面、田沢はセットアッパーか、ロングリリーバーとして起用される。
 “日本的な発想”で考えれば、ヒジにメスを入れた投手に、連投も辞さない中継ぎをやらせるのは宜しくないのだが…。レッドソックスも故障を再発させる使い方はしないだろう。田沢自身も早く「フルシーズン稼働の実績」を作りたいと思っているはず。シーズン中盤以降、田沢はブルペンの重要どころを任されているかもしれない。(スポーツライター・飯山満)

外国人選手の方仮名表記はベースボール・マガジン社刊『月刊メジャー・リーグ』を参考にしました。田沢純一投手は「田澤」と記すメディアもありますが、本編は共同通信社の表記にしたがいました。

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