阪神競馬のシリウスSに出走を予定しているワンダースピードは、実に不思議な馬です。今年で3年連続シリウスSに挑戦。一昨年が55キロでドラゴンファイヤーの3着。昨年がゴール前で先頭に立ち、誰もが勝ったと思った瞬間、伏兵マイネルアワグラスに差し込まれてアタマ差2着。この時のハンデが57キロ。今年は58.5キロを背負って参戦。何としても勝ちたいという意気込みが伝わってきますが、不思議なのは今年を含めて、直前のレースが過去3年のうち2年が5月の東海S。4カ月半ぶりの実戦なのです。大丈夫なのでしょうか?
私の予想は前走のエルムSで、4角大外を回るロスがあったナムラハンター。それで優勝したマチカネニホンバレと0秒4差。叩き2戦目で、一角崩しを狙います。
さて、中山では「内房S」です。昨年は11番人気のチョウカイシャトルが見事な追い込み勝ち。流れひとつで伏兵馬の台頭が考えられます。
ここは定量戦ということもあり、ズバリ! 狙いはラインプレアー。前走の越後Sは4カ月ぶりの実戦。馬体が16キロ増と、いかにも急仕上げ。しかも、トップハンデに加えて、スタートで両サイドから寄られて出遅れる最悪の事態。結局、最後方のままで大差のシンガリ。見方によってはレースを放棄したと思われても仕方がない内容でした。
今回は柴田善騎手にスイッチ。中間、入念過ぎるくらいの調教量で好時計を連発。今週の最終追い切りでも併走馬を大きくちぎりました。となれば、休養前の中山ダ1200メートル、オープン・京葉Sでイブロン、スリーアベニューを相手にクビ+クビ差の3着。越後S優勝のアウトクラトールなどに先着。1分10秒5で走り抜けた馬です。
これだけの実績でも準オープンでは役者が一枚上。全4勝が右回りダートで、そのうち3勝が1200メートル。典型的な短距離戦のダート巧者。ベストの中山の舞台にかわり、有利な定量57キロ。こん身の仕上げで全力投球の一戦です。