雷鳴がとどろき豪雨が降りしきるなか、ラジオNIKKEI賞のゲートは切られた。
レースはルールプロスパーが先手争いを制して軽快に飛ばす展開。向正面で流れが落ち着いたところで、中団やや後方に位置していたレオマイスターは進出を開始した。
「内が少々荒れていたので、外を回っていこうと思っていた」と語る内田騎手の思惑通り、4角では3番手まで押し上げて直線へ。早め先頭から逃げ込みを図ったノットアローンを一完歩ごとに追い詰め、ゴール寸前で見事に捕らえた。
「4角で十分に反応してくれていたので伸びてくれると思ったし、馬もそれに応えてくれた。この雨もボクの馬にとっては良かったですね」
先週の宝塚記念制覇に続く重賞制覇を達成した内田騎手は、充実感に満ちあふれた表情を見せていた。
一方、古賀慎師は「これまではゲートに問題があったが、鞍上がテン乗りにしてうまく乗ってくれた。レースをこなすごとに少しずつ成長していたし、カミナリのパワーで走ってくれたね(笑)」とジョークを交えて振り返った。
この後は休養に入る予定。マイル路線を歩むか、菊花賞路線に向かうかは今後、関係者の中で煮詰めていきたいという。
それにしても、内田騎手は“平成の道悪男”とでもいうべきか。昨年のNHKマイルC(ピンクカメオ)、そして宝塚記念(エイシンデピュティ)→ラジオNIKKEI賞と、もはや偶然では片付けられない強さを見せつけている。もっとも、地方の深いダートで活躍してきたジョッキー。馬場がタフになればなるほど、その腕が発揮されるのは自明の理か!?
ハンデ戦らしく1着から11着までが、0秒5差以内にひしめき合う大混戦。それを制したレオマイスターの激走は、悪条件に絶大な強さを誇る鞍上の“雷”を受けての“咆哮(ほうこう)”…という気がしないでもない。