稲垣は「山崎キラー」としても知られている。平塚GIIIの特選では山崎の4回転のダッシュがつかないような先行で、山崎を7着に落としている。
高松宮記念杯では村上兄弟に勝ち星をプレゼント。初日は兄・義弘、2日目には伏見俊昭(福島)のまくりを抑えて弟・博幸との京都ラインを決めている。
さらに寛仁親王牌では日本競輪選手会賞の特選で山崎に先着。新田康仁(静岡)にマークした形になっているが、まず展開を乱したのは稲垣だった。四日市サマーカップでは佐藤友和(岩手)を抑えて先行して1着。4・33のギアに変えた山崎を決勝ではジャンかましで破り、新田の優勝に貢献した。今回の地元戦、稲垣はいかに村上義弘に優勝をとらせるか。
別府記念で惨敗した山崎は「ギアに対する迷い」が出ている。京都ラインにとって怖いのは、山崎よりは不調を伝えられながら高松GIIIでがっちり優勝した小嶋敬二、小松島記念でまくって勝った渡部哲男、先行意欲を取り戻した荒井崇博の存在だろう。
稲垣-村上義弘-博幸のラインが、確実に優参してくれば、軽いバンクだけに稲垣がジャンからいって村上義の番手追い込みが決まるとみている。
地元ラインを外すなら岩津祐介(岡山)の追い込みだろう。おとなしく3番手をまわってもバックからはインを入ったり、中を割ったり、外をまくり気味に追い込んでくる。近況はぱっとしないが、京王閣FI準優では格下相手ながらもまくって、単なる追い込み型ではないところを見せている。好不調は3か月ごとにめぐってくるともいう。中四国ラインで渡部の後ろ、組み合わせいかんでは九州の荒井のラインにも付けられる。そろそろ切れを見せてくれそうだ。
もう一人、柴田洋輔(東京)も奈良FIでS級初優勝して波に乗っている。その後の川崎FIでは菊谷信一(大阪)の徹底的なつぶしにあって成績は(4)(1)(5)と今ひとつだったが、遠征戦の方が気楽に先行、まくりを使い分けて戦えるタイプだけに注意が肝要だ。
面白いことに好成績をあげたブロックでは、気楽に走って優勝というケースが多い。奈良で3連勝の柴田は同じ近畿の京都向日町で暴れまくってくれるかもしれない…と期待している。準優まで上がれば格上の先行選手に一泡ふかせてほしいものだ。
松戸GIIIでの成績次第で人気も変わるが、柴田を4日間頭から追いかけてみたい。