先週まで平地の重賞は104レース行われているが、横山典は約1割のタイトルを一人で取った計算になる。そこで、今回は横山典について分析してみたい。
今年の横山典は、重賞で52戦し、<10、2、2、38>と勝率19%。2・3着は少なく、キッチリ勝ち切るケースが多い。1番人気での勝率は、騎乗20回の武豊が13%、10回の安藤勝が13%ということを考えると、1番人気で6度しか乗っていない横山典の10勝、勝率19%はまさに驚異的である。
年度別成績を調べたところ、横山典が激変したのは2008年だった。07年は5勝だった重賞勝ち鞍が08年は12勝と一気に数字を伸ばしている。しかし、重賞以外の平場を含めると意外な結果が出た。01年〜07年の全騎乗の勝率が15%で、08年以降が14%…。現状維持どころか、1%ほど落ち込んでいるのだ。
さらにもう1点、不思議なことがある。08年にあれだけの大活躍を見せ、今春にダービーを勝っていながら、重賞で1番人気馬に騎乗した回数は08年7戦→09年6戦とまったく増える気配がないのだ。
一方、武豊は08年に重賞で1番人気馬に騎乗した回数は22回。しかし、結果はたった3勝しかできなかった。にもかかわらず、今年も11月8日現在で20戦にわたり1番人気馬に騎乗している。
横山典はあれだけ勝っているのに、重賞1番人気馬への騎乗依頼が少ないのはなぜか? 私はこう考える。
「横山典と掛けまして、『しがらみを背負ったゴルゴ13』と解く」。そのココロは? もったいぶるようだが、この謎かけは次回の後編で解いてみたい。