「旧日本新党出身の議員は野党を中心に散らばっており、細川氏が旗印になれば再結集を狙うでしょう。政界再編をもくろむ細野豪志・民主党前幹事長、松野頼久・日本維新の会国会議員団幹事長、江田憲司・結いの党代表が始めた勉強会のメンバーも参加が見込まれます」(細川氏側近)
そして何より注目すべきなのは、自民党内の“隠れ脱原発派”だ。
「脱原発への路線変更を目指す自民党国会議員は、エネルギー政策議連に所属する約50人がコアになり、すでに100人以上まで膨らんでいます。決起は7月が濃厚です。安倍晋三首相が東電の意向に沿い、柏崎刈羽原発の再稼働にゴーサインを出せば、集団で一斉離党し、小泉新党に合流するでしょう」(政治ジャーナリスト)
いまだ世論の支持率が堅調な安倍政権下で、まさかの自民党分裂−−。都知事選を巡る対応でも、そのタネをまき続けているのが、小泉氏の次男である進次郎復興政務官だ。
「自民党が舛添要一元厚生労働相を全面支援するよう調整してきたのは、舛添氏と懇意の石破茂幹事長でした。安倍官邸の関係者は押しなべて、ギリギリまで難色を示していましたが、石破氏が責任を負う形で押し切ったばかりか、『進次郎氏も積極的に応援に入る』と言いふらしてしまった。結局、進次郎氏は舛添氏に非難を浴びせた末に支援しない考えを表明。石破氏は窮地に立たされており、もし舛添氏が敗れる結果になれば、幹事長職を追われる事態になるでしょう。どうやら進次郎氏は、確信犯的に石破氏を追い込み、自らの離党に付き合わせようとしているフシがあります」(自民党関係者)
今までの例にならえば、将来の首相候補として特別扱いされている進次郎氏が、都知事選を巡って自民党執行部から処分される可能性は低そうだ。
それでも党内に居づらくなるのは間違いなく、父親の元に駆けつける可能性は高い。その際は、石破氏だけでなく、小池百合子元防衛相ら“親小泉ファミリー議員”も同行を模索するだろう。
「小泉氏は自民党を壊滅させ、新党に吸収して首相再登板を果たしたいのです。後継はワンクッションで石破氏を指名し、進次郎氏は官房長官などの要職に就かせる。そして2020年の東京五輪は、万難を排して進次郎首相で成功を収める。小泉氏の周辺は、そんなシナリオを本気で囁いていますよ」(政治評論家)
“政局の天才”は、東京どころか、日本のリーダーまで、思うがままに操るつもりなのか。