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確定GIII京成杯 サンツェッペリン急上昇

 日曜の中山メーンは「第47回京成杯」(GIII 芝2000m)。春のクラシックへ向け、好素材がそろったなか、本紙・橋本千春の目に止まったのはホープフルSで2着に好戦したサンツェッペリンだ。ライバルに目されるピサノデイラニは芝に不安が…。メイショウレガーロは距離延長に疑問符がつくだけに、開業して間もない斎藤誠師にいきなりビッグなプレゼントを贈るシーンは十分だ。
 確固たる軸馬がいない、といったら「お前の目は節穴か」と、四方八方から非難の集中砲火を浴びせられそうだ。
 偉大なシンボリクリスエス(天皇賞・秋2回、有馬記念)の半弟ピサノデイラニがいるではないか。未勝利→ベゴニア賞を連勝中のメイショウレガーロの実力も半端じゃないと…。
 確かに、デイラニの血統は超一流だが、せこく(?)ダートで2勝を挙げてきたところが引っかかる。陣営は「この時期の完成度は兄より高い」(葛西助手)と強調するが、未知数の芝で本当にベストパフォーマンスを期待できるのか。
 一方、メイショウレガーロは2000mが未知の領域。もともと頭の高いフォームを考えると、距離延長がプラスになるとは思えないし、こちらも危険な人気馬だ。
 前置きが長くなったが、本命にはサンツェッペリンを推す。
 その根拠は山ほどある。まず、長くいい脚を使えること。前走のホープフルS2着はまさに真骨頂。惜しくも2着に終わったが、相手はディープインパクトの半弟ニュービギニングだ。レース終了後に五十嵐冬騎手は「最後は血に負けました」と、兄をほうふつさせる“鬼脚”に、お手上げポーズで周囲の笑いを誘ったものだ。
 しかし、今回のメンバーなら決して恐れることはない。来週の自己条件(若竹賞=芝1800m)とはかりにかけ、敢然と挑戦してきたのも、陣営に勝算があればこそだ。「最低でも2着を確保して賞金を加算したい」と、斎藤誠師はしっかりとクラシックを見据えている。
 3戦ぶりにコンビ復活した松岡騎手の思い入れも相当強い。というのも、サンツェッペリンが育成時代、牧場まで足を運び、自ら騎乗してほれ込んだ馬なのだ。旧前田厩舎で兄弟弟子同様の間柄だった、斎藤誠師の厩舎開業に合わせて、この馬を薦めた責任(クラシックに出走させる)もある。
 男の約束を果たさなければ“騎手の一分”が立たない。血統(テンビー)は地味だが、この一戦にかける執念はどの陣営よりも熱い。

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