CLOSE
トップ > 社会 > 激化するLCC生存競争

激化するLCC生存競争

 格安航空会社(LCC)の生存競争が熾烈になってきた。
 成田を拠点にANAとエアアジア(マレーシア)の合弁会社としてスタートしたエアアジア・ジャパンは、既に合弁を解消、11月1日からはANA100%子会社のバニラ・エアに社名を変更して再出発している。
 一方、同じANA傘下のピーチ・アビエーションは、欠航リスクが低い関西国際空港を拠点にする強みを生かし、10月27日から関空−成田路線を就航させた。ANAの事情で関空を拠点にスタートした同社にとって、成田進出は開業当初からの悲願だった。

 これに対して成田を拠点とするJAL系のジェットスター・ジャパンは、最初の通年決算となった今年6月期で88億円の最終赤字に塗れた。自己資本が5億円強まで減少し、債務超過に転落しかねなくなったことから「JALに追加出資を要請している」(関係者)という。
 「LCCはコスト削減のため同じ機材で複数の路線を飛ばす。その際、発着時間が制限される成田は欠航リスクが高まる。まだ知名度が低いにせよ、成田拠点組が苦戦を強いられているのはそのためです」(航空アナリスト)

 殴り込むピーチ、迎え撃つジェットスター、そして新生バニラ・エアに加え、海外勢も“成田攻略”には牙を剥いている。既に上海−茨城線などを飛ばしている中国の春夏航空は来年5月、成田を拠点に国内3路線で運航する予定。中国の観光客を対象に「価格破壊を仕掛けるのではないか」と、関係者は早くも戦々恐々としているのだ。
 「手ごわい強敵は他にもいる。ANAと決裂したエアアジアで、彼らはANAのハナを明かすことに執念を燃やしていますよ」(同)

 日本の空を舞台にしたLCCの攻防戦が熱い。

社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ