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酒井被告の罪と罰

 先月28日の会見で、「断腸の思い」を押し殺して、ついに酒井法子被告(38)の解雇を発表したサンミュージックの相澤秀禎会長(79、現相談役)。芸能界での育ての親であるのはもちろん、プライベートでも肉親のような存在だった同会長が、今週発売の「週刊文春」誌上で苦しい胸のうちを吐露している。

 のりピー事件で一番かわいそうな役回りとなったのが、酒井法子被告が所属していた芸能事務所「サンミュージック」の上層部だろう。
 夫の高相祐一被告が逮捕された翌日となる8月4日、緊急会見を開いて酒井被告の失踪を明かした同社の相澤正久社長。カメラの前で「これを法子が見ていたら、僕らになんでもいいから話してください」と、絶叫した姿は記憶に新しい。
 このときを振り返って秀禎会長は「僕たちは本気で法子が自殺するんじゃないかと心配していた(中略)岡田有希子(編注・同社所属のアイドルで1986年に自殺)のこともあるし、法子を担当していた溝口マネージャーが自殺した過去もある。これは危ない。一刻を争う」と、焦りに焦った会見であったことを明かしている。

 ところが、7日に酒井被告の逮捕状が出るや、事態は思わぬ方向へ。ネットを中心に「事務所がのりピーをかくまっているのでは」「逃亡を助けているのでは」といった話がまことしやかにささやかれ始めたのだ。しかも、捜索願を出しているにもかかわらず、警察からの経過報告は一切なし。完全に立つ瀬のない状況に追い込まれた。
 揚げ句の果てには「週刊新潮」誌上に「事務所はのりピーの滞在先を知った上で、捜索願の茶番を演じている」という趣旨の記事まで掲載されてしまった。これには秀禎会長も、「そんなことあるはずがない。(中略)愚弄するにもほどがある」と反論している。
 高相被告との結婚についても振り返り、「いま思えば、そもそも結婚したのが間違っていたね。バカだよね…。ただそのときは『法子が好きになった人だろうからどこかいいところがあるだろう』というだけでした」と、まさに実父と変わらぬ後悔や悲しみがあることを吐露した。
 また、「芸能界は引退です」と言い切った秀禎会長だが、「ただ、彼女が人間として更生したい気持ちがあるならば、“親”として手を貸してやりたい」とも。
 女性誌記者がサンミュージックの“惨状”についてこう指摘する。
 「これからママドルとして高稼働が望めたタレントを1人失った上、イベントやCM関係など億単位の違約金も、肩代わりせざるを得ない。ただ、今回の一件で、芸能事務所としては珍しいほどタレントに親身だということはアピールできた。老舗のブランドイメージにさらに磨きがかかったのが、せめてもの救いですかね」
 秀禎会長の愛情に、酒井被告が「更生」という形でお返しできるか。

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