search
とじる
トップ > スポーツ > 緊急トレードか!? プロ野球 成長株の丸、會澤はマエケン不調の穴を埋められるか?(広島編)

緊急トレードか!? プロ野球 成長株の丸、會澤はマエケン不調の穴を埋められるか?(広島編)

 交流戦は3勝3敗1分け(5月25日時点)。ペナントレースは16勝13敗4分けで、2位。順調な滑り出しを見せたと言っていいのではないだろうか。篠田純平(26)のレベルアップ、大竹寛(28)の復活、2年目・今村猛(20)の成長、新外国人投手・バリントン(30)の活躍は大きい。広島東洋カープはマツダスタジアムに本拠地を移して3季目だが、過去2年間は負け越している。2009年は29勝37敗1分け、昨年は31勝37敗だった。昨季はマエケンこと前田健太(23)の活躍により、一縷の光が見えたが、近年は『打高低投』の傾向にあった。「本拠地で勝てなかった原因」はいくつか考えられる。『広域球場・マツダスタジアム』の利点を生かし、高めのストレートで勝負できるマエケンタイプの投手が少なかったからだろう。

 バリントンの活躍は大きいが、そのマエケンの不調は気になる。昨季の勤続疲労を日適する声も聞かれたが、マエケンは二軍とはいえ、ルーキーイヤーから先発ローテーションで登板してきた。不振は『統一球』の影響ではないだろうか。
 開幕直前、マエケンは野球専門誌の企画で『統一球の心象』について「滑りやすい」「スライダーやカットボールなど小さく動かす変化球は、曲がり具合を把握しないと失投になりかねない」とコメントしていた。右打者の外角球が「ボールカウント」となることが多く、甘く入ったスライダー、ストレートを狙い打ちされるケースも多い。ツーシーム系の変化球を得意とする投手は『統一球』にハマったようだが、マエケンタイプの投手は“違和感”をなくすまで、もう少し時間が掛かりそうだ。
 交流戦の成績は3勝3敗1分け(5月25日時点)。この好調さを維持するには、打線がさらに奮起する必要がある。
 「近年は打高低投」と言ったが、広島打線はリーグトップを争うような破壊力があったわけではない。22歳の新鋭・丸佳浩の活躍は大きい。首脳陣は昨季、ファームトップの打率を残した丸の飛躍を計算していたらしいが、岩本貴裕(25)の不振は予想できなかった。キャンプでは打撃好調に見えた。昨季改造した『ノーステップ打法』に迷いが出たのだろうか。セ・リーグ首位打者の廣瀬純(32)が右太股裏の故障(右大腿二頭筋損傷)で途中退場した5月20日、岩本がその代役に抜擢された。今季、廣瀬の1日も早い復帰が待たれるが、岩本にも復調のきっかけを掴んでもらいたい。廣瀬の復帰はもちろんだが、岩本の復調はキーポイントになる。「3番・丸、4番・トレーシー、5番・栗原」というクリーンアップは迫力に欠けるからだ。栗原の実績はともかく、交流戦における広島打線を改めて見てみると、3割バッターが1人もいないのだ(規定打席到達者)。トレーシーは変化球にも対応できる日本向きのバッターではあるが、得点圏打率は2割5分6厘。通算打率よりも低いのだ(2割6分7厘)。4番が好機に弱いようでは、相手藤手にナメられる…。

 広島はトレードに積極的なチームではない。ペナントレース中盤以降のプラスアルファーがあるとすれば、昨季、ファームで100試合に出場した堂林翔太(19)、ファーム戦規定打席に到達した安部友裕(21)、守備難だが、打撃力のある小窪哲也(26)といったところが予想されるが、彼らに関する明るい情報は入っていない。
 丸ばかりが注目されているが、捕手・會澤翼(23)の成長も大きい。
 開幕序盤戦はバリントン、篠田、丸が牽引した。マエケンが復調し、大竹が先発ローテーションに完全復帰できれば、投手陣はそれ相応の布陣になる。あとは打撃陣だが、自前の育成戦力から中盤戦以降を引っ張る『第2ロケット』が見つからなければ、今季は思い切って『駆け込みのトレード補強』をしてもいいのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)

※前田健太投手の統一球に関するコメントは『週刊ベースボール』(2011年4月11日号)を参考にいたしました。

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ