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台湾資本が狙う次の標的は“テレビと縁が切れない”ソニー(2)

 そんな若葉マーク社長の舵取りをアザ笑うかのように、インターネットの掲示板には「シャープを騒ぐが、本当にひどいのはソニーだろう」「シャープがつぶれたらソニーへの影響が甚大となる」などのアブナイ書き込みが目立っている。
 これらは「決して荒唐無稽な観測ではない」と準大手証券の株式担当部長が打ち明ける。まだメディアは報じていないが、ソニーに対し台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が「ひそかに牙を研いでいる。ソニーの株価急落が、彼らにとって格好の追い風になるかも知れない」というのだ。

 鴻海といえば、迷走が続くシャープへの出資をめぐって連日メディアをにぎわせている。ことによると、本誌が店頭に並ぶ頃には世紀の乗っ取り劇が実現しているかもしれない。一方で野心満々の鴻海は、NECから液晶ディスプレーなどに関する特許(約100億円)を購入すべく交渉を進めている。このことは、シャープとの交渉のために来日しながら突然離日した郭台銘会長が“リップサービス”として記者団に明かしたばかり。その際にNEC本体への出資を問われた同氏は「NECは消費者向けの企業ではない。だから踏み込んだ出資は考えていない」と答えている。前出・準大手証券の部長がこんな見方を披瀝する。
 「これを額面通りに受け取れば、消費者向けの企業には興味津々ということ。そこで囁かれているのがソニーです。鴻海はEMS(電子機器の受託製造)の世界最大手で、ソニーの海外工場を購入したほか、プレイステーションなどを受託するなど関係は緊密。ビジネス面でのつながりは、乗っ取りに王手がかかったシャープの比ではありません」

 ソニーをめぐる不吉な観測が独り歩きしているからなのか、同社の株価は年初来安値(863円)をうかがう水準まで売り込まれている。時価総額はとうに1兆円を割り込み、いまや8720億円前後まで落ち込んだ。鴻海のオーナー郭台銘会長がその気にさえなれば、シャープに続いてソニーの経営権奪取が現実味を増す。そんな中、エレキ事業には素人の平井社長が自らの存在証明とばかり、超大型テレビによる“夢”をぶち上げたというわけだ。
 「世間の目には“危機感オンチ”としか映らない。アップルを最大の顧客にする鴻海は目的のためなら手段を問いません。百戦錬磨のツワモノだからシャープやソニーを踏み台にすることに躊躇はないはず」(前出のソニー・ウオッチャー)

 どうやら“ソニー・タイマー”の最終カウントダウンが始まったようだ。

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