「小学生の頃に、父親に連れられて富士山や立山に登ってはいたんですが、そのときは苦しいだけで何が楽しいのかわかりませんでした。でも、番組出演後に興味が出て、今では、2日休みがあると、どの山小屋に泊まろうかっていうくらい熱中しています。夜の9時くらいに都内で番組収録が終わると、夜中には長野県の松本にいる、みたいなことがよくありますね(笑)」
−−そこまでハマったきっかけはなんでしょう?
「一つ言えるのは、私にとって山=父ということ。父とはずっと親子の確執がありましたが、山番組をやるようになってから、一緒に登山に行くようになって、和解することができました。でも、これから楽しい時間を取り戻そうと思っていた矢先、今年の1月に、がんで亡くなってしまって…。父と唯一繋がれる場所はやっぱり山なので、今は父の遺影を背負い登っています。生前、2人で登ろうと言っていた山がたくさんあるので、それを一つひとつ登りたいなと思っています」
−−壮大な計画ですね。ちなみに、過去には小さいおじさんの妖精を見たり、不思議な体験をしていますが、山でもそういったことは?
「あります! 山に登ると、すごくパワーが充電される感じがするので、もう指先までビリビリ感じるんですよね。これを言うと、気持ち悪がられるんですけど、いつも私を守ってくれている子たちの羽の音が“フルフル、フルフル”って聞こえるくらい、喜んでいるのがわかるんです」
−−釈さんを見守る精霊みたいなものでしょうか(笑)。それを一番感じたのはどの山?
「最近だと燕岳(つばくろたけ)ですね。好きなのは北アルプスの奥穂高岳に続く涸沢(からさわ)カールで、あの辺りにいくと、いつも“フルフル”度合いがMAXです(笑)」
−−釈さんは温泉ソムリエの資格も持っているそうですが、山に行くときは、温泉にも入るんですか?
「絶対にセットです! 温泉は、2年くらい前に骨折をして、体が全く動かせなくなったときに、どうせならこの期間に教養を身につけようと思って勉強しました」
−−すいません。ついつい入浴シーンを想像してしまいました…。せっかくなので、ソムリエとして、働き盛りの実話読者にオススメの温泉を紹介してくれませんか?
「泉質にはいろいろありますが、硫黄泉がいいと思います。美人の湯とも呼ばれますが、血行を促進してくれて、動脈硬化やメタボに効果があるといわれています。お父様世代にうってつけです」