麻生氏は各メディア調査で“当確”が打たれ、集中力が途切れてしまったのか?ついにというか、やっぱりボロが出てしまった。
暴言が飛び出したのは14日の日曜日。JR名古屋駅前での街頭演説で、先月のゲリラ豪雨被害について「安城や岡崎だったからいいけど、名古屋で同じことが起きたらこの辺、全部洪水よ」などと得意げに話した。
被災先は同じ県内だけに、足を止めて麻生氏の演説に耳を傾けていた名古屋市民も不愉快だったに違いない。どんなかたちにせよ、事件、事故、災害に見舞われて「○×だったからいい」というシチュエーションなど存在しないからだ。そんなことは子供でも分かりそうなものだが、これから首相になろうという男がしゃべったわけだから住民の怒りはハンパではなかった。
豪雨被害を「いい」とされた岡崎市と同市議会は16日、麻生氏に対して「配慮のない発言は極めて遺憾」とする抗議文を送付。抗議文などによると、同市内で2人が死亡、約3000棟の家屋が床上と床下に浸水する被害が出ており、「麻生氏の発言に接し、驚きと憤りを禁じえない。災害からの復興活動を続ける岡崎市と岡崎市民を深く傷つける発言」としている。
市民からは同市役所などに“怒りの声を上げろ!”とする抗議が殺到している。同じく名指しされた安城市も、抗議文を送ったという。
一部情報によると、事態を重く見た麻生氏サイドは同日中、両市に対して謝罪の手紙をしたためたもよう。正式な謝罪を受けて両市がどのようなリアクションを取るかは手紙の内容次第だろうが、野党がこれに乗じて“麻生批判”を強めるのは必至の情勢といえる。
政治記者は「民主党を中心に、野党各党は“共同戦線”を張って新首相を追い込む戦略を練っている。国会で首相の資質を問い、総選挙では首相の暴言癖をあげつらうことになるだろう。失言、暴言の類は認識の甘さを詫びるしかないのだが、お坊ちゃま育ちで自由奔放な麻生氏にそんな芸当ができるとは思えない」と指摘する。
麻生氏は、総裁選Vのあとに大きな火種を残してしまった格好だ。