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「2010年度プロレス大賞」の怪 実績なきチームが「最優秀タッグ賞」受賞

 東京スポーツが制定する「プロレス大賞」の選考委員会が、12月8日に東京都内で開かれ、翌9日に受賞者が発表された。

 「プロレス大賞」は1974年にスタートし、今年で37回目を迎える歴史ある賞で、プロレスラーの励みになっているもの。プロ野球でいえば、MVP、新人王、ベストナイン、ゴールデングラブ賞などに相当する権威ある賞。

 その「プロレス大賞」に今年は、誰しもが驚く怪事件が発生した。
 問題となったのは、最優秀タッグ賞。この賞は文字通り、年間を通して最も活躍したタッグチームに与えられるもの。ところが、今年は何の実績もないチームが受賞したものだから、業界内もドッキリ。

 最優秀タッグに選ばれたのは、なんと中西学(新日本プロレス)&ストロングマン(CMLL)。この2人、初めてタッグを組んだのは3月。本格始動したのは10〜11月に開催された「G1タッグリーグ戦」。このリーグ戦で、中西組は準決勝で敗退し、決勝に残ることすらできなかった。チームとしての実績はこれだけなのだ。

 投票の経過は、1回目の投票で、飯伏幸太&ケニー・オメガ(DDT)=8票、中西組=7票、船木誠勝(全日本プロレス)&鈴木みのる(パンクラス・ミッション)=4票、高山善廣(高山堂)&佐野巧真(プロレスリング・ノア)=3票、永田裕志&井上亘(新日本)=2票、棄権=1票。

 1位の飯伏組が過半数の13に達しなかったため、飯伏組と中西組の決選投票となり、中西組が15票を得て、飯伏組の10票を抑えて、まさかの受賞となった。

 ノアの「グローバル・タッグリーグ戦」を制覇、GHCタッグ王座に戴冠した高山組。新日本の「G1タッグリーグ戦」を制し、短命ながらIWGPタッグ王座にも就いた永田組は、ともに2冠を獲得しており実績も十分。次点となった飯伏組はIWGPジュニアタッグ王座に君臨しており、実績的には無冠の中西組より上なのだ。

 このチームに関し、東スポ側は「問答無用のパワーと抜群の存在感で、2010年のマット界に強烈なインパクトを残したことが評価された」と評している。

 ナゾがナゾを呼ぶ中西&ストロングマンの受賞について、ベテラン記者のA氏は「実績的にはどう考えても、高山組か永田組。ただ、インパクトが薄かったということなんでしょうね。吉報を待っていた両チームは、さぞやショックでしょう。これなら、該当者なしの方が、良かったかもしれません。ほとんど実績のない中西組が受賞するのは感心はしません」と語る。

 実績よりインパクト。それが、選考につながったと考えるしかないが、業界内では波紋を呼んでいるようだ。なお、授賞式は15日に都内で行なわれる。

<2010年度プロレス大賞受賞者>
●MVP 杉浦貴(ノア)
●ベストバウト賞 飯伏幸太&ケニー・オメガ(DDT)対田口隆祐&プリンス・デヴィット(新日本)〜IWGPジュニアタッグ選手権 新日本10・11両国国技館
●最優秀タッグチーム賞 中西学(新日本)&ストロングマン(CMLL)
●殊勲賞 諏訪魔(全日本)
●敢闘賞 小島聡(フリー)
●技能賞 カズ・ハヤシ(全日本)
●新人賞 岡林裕二(大日本)
●女子プロレス大賞 高橋奈苗(パッションレッド)
●東京スポーツ50周年記念特別功労賞 アントニオ猪木
●特別功労賞 故ジョー樋口さん(ノア)、故ラッシャー木村さん(ノア)、故山本小鉄さん(新日本)、故星野勘太郎さん(新日本)
●レスリング特別表彰 吉田沙保里(ALSOK)、伊調馨(ALSOK)、坂本日登美(自衛隊)

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