武藤は高山が三冠ヘビー級選手権の次期挑戦者としてふさわしいかを見極めるため、直接肌を合わせた。この日は西村修&浜亮太と組み、高山善廣&太陽ケア&NOSAWA論外と対戦した。
武藤はドラゴンスクリューから足四の字固めという得意の流れで悶絶させた。さらに閃光魔術を叩き込んで帝王を追い詰めた。高山のニーリフトに苦しめられる場面もあったが、最後は論外を孤立させ、閃光魔術でトドメ。見事な作戦で先勝した。
試合後は「ぶっちゃけ、特待生じゃないけど、合格は合格なんですわ」と評価。早くもムタとのタイトル戦を容認する意向を示した。
だが、“面接官”として現時点で及第点を与えつつも、内定取り消しの可能性も示唆した。「あいつは大きいし、キャリアも豊富。脅威は脅威なんだけど、プロレスってそれだけじゃダメなんだよ」と指摘。「ただ合格してもつまんないし、どっかボロを引っ張ってみたいな」と追試を課すことに決めた。
武藤が追試の課題として挙げたのは、意外なことに「生活態度」だ。
歴史と権威のある三冠王座に挑戦するためには、プロレスラーとしての技量はもちろん、“品格”も問われる。服装や集合時間にきちんと集まっているかなど、社会人として基本的なことがきちんとできているか、巡業中にチェックする。
「チャンスをものにできるか、できないかはアイツ次第。このチャンスをものにできるか」
武藤が課した新たな課題を乗り越え、高山はベルト挑戦のチャンスをつかむことができるか。