欧州のゲテモノ料理でねずみをビールで煮込んで食べる、というのをテレビでみたことがあるが、ねずみラーメンは、ほとんど聞いたことがない。
まず、寸胴にねずみが飛びこんで煮込まれた、というような話が、実際にあった。
あるねずみ駆除業者は言う。
「ラーメン店からの依頼は多いですね。ねずみは、いるところには大量にいるので、一回の駆除で500匹くらいつかまえられるのです。これが実際にラーメン店で大きな粘着シートなどでねずみを捕獲した写真ですが…」
見ると、画面いっぱいにねずみの死骸だ。
同氏によると、
「寸胴の蓋を空けっぱなしにしておくと、ぬるくなってからこのねずみが天井から飛び込んだりする。溺れ死んで気づかずに煮込まれてしまったケースもあります」
フライヤーに飛び込んで揚げ物に、という話なら聞いたことがあったが、それをも超える気味の悪さだ。
では、実際にはねずみラーメンはあるのか。
当然取材は難航したが、ベトナムにその謎を解く鍵があった。
ベトナム在住の日本人ジャーナリストA氏は、こんな話をする。
「ベトナムでは、日本のラーメン戦争に当たるものが、フォーをめぐって繰り広げられています。こちらでは食用の田ねずみというのがレストランのメニューにはありますので、むしろ麺類の出汁につかわれることは想定内なのです。ねずみをふんだんに使用したラーメンというのも情報濃縮的におおいにありうる話」
自分は絶対食べたくない、という同氏は、こう続けた。
「日本であるとしたら、大陸風とか無国籍を謳うラーメン店主あたりがやらかしそうですね。ラーメン戦争に勝つための秘策を練って日夜出汁の研究をしていくうちに頭がおかしくなって判断力を失い、田ねずみならぬ、そこらへんを走り回っていたねずみをどぼんと投入…」
まさにオカルト、であるが、日本でも山口県の一部地域でねずみをたべる風習がある。
それとベトナム在住の商社マン筋によると、ベトナムでは、田ねずみの代わりにドブネズミを使った業者のザンゲの独白、なんていうニュースも実際にあったそうだ。
こういった食の偽装問題は、どこかの国でも同じ。そう、まさに日本でも、ラーメン戦争の果てに寸胴にねずみを放り込む、なんていうことは起こりうることだ。
日本における“ねずみラーメン”は、にわかに現実味を帯びた話になってきた。
ひょっとして、皆さんももう食べてしまっているかもしれない。