全11勝中、左回り10勝に対して、右回りはわずか1勝しかしていない。池上助手は「相手うんぬんより、自分(中山コース)との闘い」と見ている。果たして、右回り攻略の秘策はあるのだろうか。
池上助手は「スムーズに折り合いをつけるために、前に壁をつくりたい。左回りならその必要はないけどね。壁をつくるには内枠がベター」と祈るような気持ちだ。
そのお手本が、昨年の2回中山開催の「千葉S」(ダ1200m)。5番枠からスタート、前に壁をつくり5番手でスムーズに折り合う理想的な展開。直線に向くと満を持して抜け出し、2着ハリーズコメットを0秒3突き放す圧勝劇だった。
この千葉Sが右回りの唯一の勝ち星だ。乗り難しいコースではあるが、それはコンビの田中勝騎手(千葉Sを含め8勝)は百も承知している。トウショウギアの実力を余すところなく引き出してくれるだろう。
「前走後はいったん、短期放牧に出して(12月26日帰厩)、ここを目標に調整してきた。今週やれば態勢は整うよ」
その前走・霜月Sはハナ差2着と惜しくもチャンスを逸したが、最後は酷量59kgが響いた格好。池上助手は「直線の伸び脚(上がり35秒1はメンバー最速)は際立っていたし、負けて強しといえる内容だった」と愛馬をねぎらった。
そして、「力の衰えはまったくないですね。ハンデは気にならないし、今後のために勝って賞金を加算したい」とキッパリだ。
ここはあくまでも通過点でしかない。