今週、ポランスキー監督が30年以上も前に起こした少女強姦の有罪判決を受ける為、スイスからアメリカへ身柄を引き渡される事は無いと伝えられた。その後、妻のエマニュエル・セニエ(『ナインスゲート』『潜水服は蝶の夢を見る』)は、以下の発言をした。
「9か月以上経過して、子供達と私の悪夢がようやく終わります。制作活動に戻る事と、平穏な家族の生活を取り戻す事が出来て本当に喜んでいます」
監督は、2009年の『チューリッヒ国際映画祭』で「功労賞」を授与されるためにスイスを訪れていたが、1977年にアメリカで起訴された少女に対する強姦容疑のためにスイス司法局に身柄を拘束されて、9か月軟禁されていた。しかしスイス当局は月曜日に監督をアメリカに送る事はしないと発表していた。
スイス司法局は、声明文で「76歳のポーランド系フランス人映画監督ロマン・ポランスキーは、アメリカに引き渡しされません。彼の軟禁は解かれました」と伝えた。
1977年、監督は、当時13歳のサマンサ・ゲイマーさんとジャック・ニコルソン邸で性行為を持ったとして有罪判決を受けていた。監督は、未成年者に対するシャンパンと鎮静剤を使用した「レイプ」「オーラルセックスの強要」「アナルセックス」などの嫌疑をかけられていた。当時、監督は、たった42日間の禁固刑になるだろうと信じていたが、自分が未成年との性交渉を認めれば、「レイプ」及び「暴行」に課せられる刑を軽くするという取引を反故にされたと主張している。1978年、監督は、フランス市民として逃亡犯引渡しから逃れる為、執行猶予中に映画撮影と偽り、アメリカからロンドン、それからパリに逃避行した。