渡辺はジャニー喜多川社長について、「日本のエンターテインメントにいち早く海外の文化を輸入された方。エンターテインメントの作り方が時代を先取りするような、すごい才能の持ち主」とコメント。その上で、「本当は仕事を一緒にしたりお話したりしたかったというのはあります。残念です」と述べ、「一時代を築いた方という意味でも、今後、その遺志を継いで自分たちも頑張っていければ」と話した。
囲み取材には、本ミュージカルの共演者であるケリー・オハラも出席。渡辺にとっては、海外で高い評価を得た主演ミュージカルの日本凱旋公演とあり、気合いも十分。「これまでも何度もやっている舞台。ただ、新しい劇場でお客様が日本のみなさん。やることに関しては変わりはないけど、ニューヨークやロンドンとも劇場の使い方は変わっている。それが楽しみの一つ」と話して、嬉しそうな表情。
「ずっと、日本の俳優が日本で舞台をやるのに、何で英語でやるのって、違和感や葛藤があった。だから(日本公演の実現にはどこか)腰が引けていたんですけど、でも、トニー賞を獲るような素晴らしい俳優たちを、ぜひ日本で見てほしいっていう気持ちで今回お受けしました。これくらいトップクラスのブロードウェイの方々を見れる舞台はそうないんです」と見所を力説。本舞台での仕事について、自分にとっての「集大成」であることも強調した。
共演するオハラも、そんな渡辺に対してエールを送る。「彼は素晴らしい役者。彼の演技力にわたしも近づけなければなりません。そして同時に、とてもチャーミングな方。(一緒にできて)光栄です」と笑顔を見せていた。
(取材・文:名鹿祥史)