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ケイリン徒然草 一時代作ったOBを冠したタイトルレース増やすべき

 このところ、意外な選手がGIII記念競輪で優勝している。それも開催前には格下と思われた地元選手の優勝が多い。
 まず驚かされたのは松戸GIIIの中村浩士(千葉)の4連勝だった。初日特選は9秒0のまくり追い込みで勝った。まあその時点では「一発」という認識しかもてなかったが、さらに圧倒的強さで3連勝して地元の先輩・鈴木誠を2着に連れてきた。
 そのあとの四日市GIIIでは柴崎淳(三重・91期)が奈良FIでの3連勝を持続した。初日、2日目はともかく、準決では武田豊樹(茨城)の先行をまくり上げ、インの阿部康雄の外でへばりつくと4角でさらに脚を伸ばして快勝。
 決勝ではさらに武田-神山雄一郎(栃木)のゴールデンラインを相手に11秒2の豪快なまくりで山口幸二(岐阜)の差しを抑えて、嬉しい記念初Vを飾った。
 このシリーズでは柴崎よりも同門の浅井康太(90期)に期待がかけられていたが、浅井は準決4着で優参は果たせなかった。柴崎は寛仁親王牌でGI初出場し、(8)(2)(7)(9)とふるわなかったものの、あっという間に力をつけてきた。

 話は変わる。今年のGIIIはこのあと9月取手、10月観音寺、京王閣、千葉、11月松阪、伊東、玉野、花月園、12月には佐世保、岐阜、防府で行われる。なかでも注目されるのは、10月25日から行われる千葉の第1回滝沢正光杯だろう。
 小倉の新人王座戦が競輪施行を初めておこなった浜田市長の名を付けた浜田賞や、久留米の中野浩一杯は別として、いままでにGIIIのタイトルに引退スター選手の名前を冠した例はない。
 あの井上茂徳杯もFIレースで武雄記念ではないし、高原永伍杯、白鳥伸雄杯もFIだ。いかに滝沢正光が評価されているか分かる。これをきっかけにグランドスラムを達成した井上茂徳杯は武雄のGIIIでタイトルとしてもおかしくはない。大楠賞なんてつけるよりいいだろう。
 競輪がいまもよたよたしながら存在する。井上茂徳や吉岡稔真(福岡)滝沢、神山雄一郎たちがファンの人気を集めていたからなのだ。これを忘れてはいけない。
 バンクを去ったが一時代を作ったOBたちに対する感謝の気持ちはもっと積極的にしてもいい。
 函館の藤巻兄弟、青森では坂本勉、いわき平では伏見俊昭、山崎芳仁など各競輪場にはほとんど、その土地の競輪ファンを沸かせた選手が歴史として残っているのではないか。彼らが現役を引退したときにはタイトルレースにして欲しい。
 ふるダビではその開催地のスターだった選手をサブタイトルでいいからつけて欲しいものだ。地元ファンの記憶に今も鮮明に焼き付くスター選手。役者を大事にすることは若手選手たちの励みにもなることなのだから…と確信している。

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