◆ダイヤモンドS◆暮れのステイヤーズSと並ぶ東の名物長距離重賞だが、中山のそれと違ってこちらはハンデ戦。直線の長い東京コースで極限の持久力を要求される一戦だけに、最後に斤量の差が明暗を分けることになりそうだ。
ステイヤーズS(3着)から2kg減の55kgで出られるチェストウイングから入る。前走のAJC杯は10着と凡走したが、「中山だったから、いいところにつけて行って直線で抜け出す競馬を指示した。乗り役さんはその通り乗ってくれたんだが、ちょっとペースが速すぎたね」と秋山師。完全な作戦ミスだけに、度外視して大丈夫だ。幸い疲れはなく、中間は引き続き好気配。
今週は例によって軽めの調整だったが、素軽さ満点の動きでデキの良さをアピールしている。「気性的に危ないところのある馬だから、ねじを巻きすぎてはダメ。ちょうどいいケイコができた。今回ははじけそうな予感があるよ」と同師。今回の舞台は5勝を挙げているベストの東京。「府中だと喜んで走るし、馬が勝ち方を知っているんだ」とは鈴木助手。昨秋のオクトーバーSでは休み明けの不利も何のその。中団からまくり気味に進出すると、直線では後続を寄せ付けず楽勝してしまった。「久々だったから、折り合いだけに気を付けて乗ったが、本当に強い競馬だった。能力の高さを感じた」と手綱を取った北村宏騎手も絶賛していた。
その北村騎手とステイヤーズS以来、コンビ復活するのも好材料。「特殊な距離だから、経験しているジョッキーが乗ってくれるのは心強いよ。小さな馬で2kgもらったのも大きい。間違いなく勝ち負けでしょう」と同師はきっぱりだ。待望の重賞初Vに機は熟した。