33歳のルーキーは子供のような笑顔を見せた。
「先発でやってほしいと最初から熱心に誘ってくれていた」と入団の決め手を明かした上原は「楽しみ半分、不安半分、そんな感じですね」と期待に胸を躍らせる。
背番号は巨人時代と同じ19番。「向こうが配慮してくれて空けてくれた。19が上原だっていうのをアピールしていきたい。挑戦者のつもりでやる」と持ち前の雑草魂で新天地でも飛躍を誓う。
所属するオ軍の投手事情は芳しくない。昨年の先発投手のチーム防御率は5.51とア・リーグ最低。2ケタ勝利は10勝12敗のガスリーのみ。そこで、上原には先発2、3番手での活躍が期待されている。
開幕3連戦のローテーションに入れば、ガ然、注目されるのが、ヤンキース松井秀との対戦だ。オ軍は開幕シリーズ、いきなり本拠地でヤ軍を迎え撃つ。この日の会見でも意識する選手として「(ア・リーグ東地区には)松井さんがいますから。真剣勝負をやったことがないですので楽しみ」と改めてゴジラの名前を挙げた。
松井との真剣勝負を想定して、早くも研究に余念がない。まずは、球場を視察し「日本みたいにレフト、ライトが同じ距離じゃなく、左バッターが有利になるっていわれている。左バッターには注意しながらやっていきたい」と球場の特徴を把握した。
さらに、球種も幅を広げていく。この日の夜、テレビ番組「NEWS23」に出演した際には、メジャー対策として得意のフォークに加え、シュートなど横の変化球の使い方をポイントに挙げた。
今後は都内で練習を再開し、2月のキャンプに備える。
「これが最終目標じゃなく、通過点。これからが大事。期待に応えたい」
海を渡り第2章をスタートさせる上原。ゴジラ狩りで弾みをつけたいところだ。