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話題の新番組「芸人先生」 松本の娘もファンのあのコンビが講師の才能発揮

 「漫才やコントは、究極のコミュニケーションツールかもしれない」。この推測を探るために、NHK Eテレが踏み込んだ。今期にスタートした『芸人先生』が、それである。

 同番組のカテゴリーは、教養・トークだ。テレビで活躍中のお笑い芸人が有名企業に出向き、体験談を交えて「ビジネスの基本」を社員へ伝授するという番組内容。昨年は、『漫才先生』というタイトルで、トレンディエンジェル、サンドウィッチマンが講師として登場、社員にレクチャーした。多くのビジネスマンから称賛の声が寄せられたのを受け、タイトルを変えてレギュラー化した。

 特に、昨年9月にオンエアされたサンドウィッチマンの回は秀逸だった。新人研修の教材になっても不思議ではないほどの講義だった。教えたのは「切り口」について。1時間目では、漫才の冒頭の「入り方」を教えつつ、開始1分以内で本題へ進むと結論づけた。例に挙げた漫才では、「プレゼンは冒頭で決まる」と実践。社員は大爆笑していた。

 大切なのは、漫才でいう「ツカミ」だという。「ここで引き込まなければ、後半の話を聞いてもらえない」という理屈は、プレゼンでも漫才でも同じだという。2時間目では言葉の選び方を教え、3時間目では漫才を社員が実践した。一連の講義を営業コンサルタントの和田裕美氏がモニタリングしたが、「さすがM-1王者」というべきクオリティを見せたサンドに和田氏は合格点を与えた。

 サンドの完成度があまりにも高かったこともあり、レギュラー化された今回の放送からはハードルがグンと上がった。初回オンエア(4月2日)の講師に抜てきされたのは和牛だった。『M-1グランプリ』で2年連続準優勝の実力派コンビ。優勝こそ逃しているものの、その腕は折り紙付き。今年、最もブレイクを期待される水田信二と川西賢志郎のコンビだ。

 2人は、大手飲料メーカーでビジネス講座を開き、「最初の30秒を制する者が営業を制する」と説いた。先のサンドと同じく、営業も漫才もファーストコンタクトからの数秒で相手の心を引き寄せるとアドバイスした。翌週(9日)には、愛社精神あふれる社員に「正直になれ」と説き、自身の漫才のモチーフとなっている「屁理屈」を例に挙げて、懇切丁寧に説明した。

 今後は、バイきんぐがおもちゃメーカーを、ロバートがリゾートホテルをそれぞれ訪問する予定。どんなビジネスノウハウを伝えるのか、楽しみだ。

 ちなみに、和牛はあのダウンタウン・松本人志の愛娘が誕生日プレゼントとして「会いたい」とお願いした漫才師。NHKのレギュラー番組のトップバッターにふさわしいワケは、こんなところにもあったのだ。

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