田中が公の場に現れたのは昨年の9月に事務所を解雇されて以来。同映画祭に出品された『サンブンノイチ』に出演している関係で、お笑いコンビ『品川庄司』の品川ヒロシ監督(41)と共に参加した。KAT-TUN時代は坊主頭だったが、この日はウェーブのかかったロングヘアーにあごヒゲ、べっ甲色の大きなサングラスといういで立ち。加えて、いままでは取材に答えることも少なかったが、この日は気軽にインタビューに応じるなど、イメージを一新。答えづらいであろう今後についても「まだ何も決まっていない。のちのち発表します」と、笑顔で話した。その夜にはツイッターでも「ありがとうしか言葉なかったなぁ… こんな僕にこんな素晴らしい場所をくれた角川さん、吉本さん、品川さん」と映画関係者へ感謝言葉をつづり、「媚び売る訳じゃなくみんなに支えられてる。うん…うん! 早くみんなに会いてーわ! 俺さ もっと頑張るから もうちょっと待っててな」、「“ただいま”はそれまでとっておく」と続けた。
ジャニーズのルールを守らずに解雇され、その後も芸能界で輝いた人は少ない。近年はほぼ皆無で、郷ひろみ(58)や再ブレークを果たした田原俊彦(53)、あとは強いていえば諸星和巳(43)ぐらいだろうか。ジャニーズを敵に回すと芸能界にいられない雰囲気が生まれる。ではなぜ、田中は解雇直後にもかかわらず、レッドカーペットで華麗にパフォーマンスができたのだろうか?
今回田中が出演した映画は、彼がまだジャニーズ事務所に所属していたときに出演交渉があり、撮影した映画なのだ。「ジャニーズがOKして出演させた映画。(ジャニーズ)事務所も吉本興行や制作した角川映画に『宣伝のためでも田中を使うのはダメ』とは言えないよ。でも、『記事を小さくしてくれ』と、担当者が内緒でスポーツ紙記者にお願いしていたらしいよ。僕にはなかったけど」(在阪のスポーツ紙記者)。
ジャニーズ自体の指示か、その担当者の個人的判断かは分からないが、こういう口頭の“お願い”で記事の大きさが変わってしまうのも芸能界。だが、田中は海外メディアに「僕を(各国へ)呼んでください。行きますよ」と殊勝にリップサービスを付け加えるのも忘れない。おそらく田中自身も分かっているのだろう。ここから先はタレントとして厳しい茨の道が待ち受けていることを。