鬥嘩裟からはカリスマばりのオーラがにじみ出ていた。「K-1MAX2008」の直前会見。顔をそろえた名だたる世界王者を押しのけ、ワールドユースの特別試合に臨む弱冠15歳の鬥嘩裟が会見の空気を一変させた。
本戦のトーナメントに参戦する各選手がそれぞれ意気込みを語り、対戦するHIROYAも「相手の選手はここまでいろいろ自分に対して言ってると思うんですが、この場で言い返してもしょうがないので、試合で見てもらえるとうれしいと思います」と優等生発言する中、鬥嘩裟は「勝ちます」と第一声でピシャリ。その殺伐としたオーラに同席していた魔裟斗も思わず一べつをくれた。
さらにHIROYAから「前蹴りしかないと思うので、それを防いじゃえばいけると思います」と言われようとも微動だにせず。むしろHIROYAの一連の“口撃”に鬥嘩裟は「寝言は寝てから言ってくださいッ!」と寄せ付けない。
スーツ姿で大人びた雰囲気のHIROYAとは対照的に、外見こそ学生服にスニーカー姿で初々しい鬥嘩裟だが、一切の挑発を受け付けず、“反逆のカリスマ”を彷彿とさせる戦闘スタイルには賛辞の声が止まない。
鬥嘩裟のジムの会長で魔裟斗の恩師でもある加藤重夫会長は「悪いけどHIROYA選手には魔裟斗が持ってたオーラは全く感じられないね」とした上で「彼は魔裟斗の猿マネじゃないか。その点鬥嘩裟には魔裟斗が持ってない良さもあるからね」と称賛。谷川貞治イベントプロデューサーも「どうなんだろうっていう期待が生まれる選手」「幻想がある」とベタ褒めだ。
これまで魔裟斗の後継者候補としてHIROYAに期待が集まっていたが、この一戦で鬥嘩裟が結果を出せば状況は確実に変わる。谷川EPは「もし藤選手が勝ったら大事に育てて、魔裟斗くんの道を歩んでほしい。その用意もあります」と示唆した。
HIROYAとの“魔裟斗2世対決”に決着をつける時がきた鬥嘩裟。勝って魔裟斗のように“MAX特待生”になれるのか、とうとう世紀の一戦のゴングが鳴る。