骨折による長期休養などでキャリアは14戦と少ないが、明けて6歳。年齢的にも後がなくなってきたカワカミプリンセスにとって、今年は勝負の年となる。
それを自身でも感じ取っているのか、シーズン初戦の京都記念4着に続き、大阪杯では3着に善戦。昨年の金鯱賞(3着)以来、牡馬混合戦で久々に馬券圏内に食い込んだ。しかも、上がり(3F)はともに末脚自慢で知られるドリームジャーニー、ディープスカイの上位2頭を上回った。
「あの位置からすごい脚で突っ込んできてくれた。オレ自身、よく3着にきたな…と驚いたくらい。横山典君がいろいろ考えて次につながるレースをしてくれた」と西浦調教師は満足げな表情を浮かべた。
これまでは好位から確実な脚を使うものの、一瞬の切れ味で勝る他馬に足元をすくわれるケースが幾度もあった。それが前走では自身が強烈な末脚を発揮。これまでのイメージを一新、完全復活への足がかりをつかんだ。
「無理しないでじっくり乗って終いを生かす。マイルならそういう競馬が合っている」
脚質転換を機に、再び栄光を勝ち得た馬は過去にも多い。試行錯誤の末、新たな引き出しを発見した今、先を越された後輩のウオッカの背中もしっかりと見えてきた。
「このレースに向けてうまく調子も上がってきた。強いのが一頭いるけど、相手うんぬんよりも自分のレースをしたい。そうすればチャンスもあると思う」
新生カワカミプリンセスが、府中の杜でウオッカをぶち抜く。元女王が復権をかけ、熱い闘志を燃やしている。