西高東低の勢力図が久しく続くなか、劣勢の関東勢に希望の星をもった一頭が出現した。昨秋以降、メキメキと力をつけている上がり馬ナンヨーヒルトップがそれだ。
その象徴が2走前のGIII・カペラS。直線で前が詰まる不利がありながら、レコードの0秒5差5着と大健闘。スムーズならあわやを思わせる好内容だった。
そして、仕切り直しとなった前走のオープン・師走Sも着差はわずかだったものの、適性外の1800メートルでの逃げ切り勝ち。きっちり賞金を加算してきたあたりに、充実度の高さを感じさせる。
管理する小笠調教師も「カペラSだって展開が違っていたら、結果は変わっていたはず。ここにきてトモがドッシリとしてきて、グンと力をつけてきているね」と愛馬の成長ぶりに笑顔が弾ける。
3走前の秋嶺S(1600万、ダ1600メートル)で後続を7馬身ちぎったように、ベストは1200〜1600メートル。前走から2Fの短縮、まぎれの少ない東京へのコースがわりは、願ってもない条件だ。
「何が何でもハナというタイプではなく、自在に立ち回れる。千四ぐらいが一番競馬がしやすいし、ここは当初から使いたかったレース。能力さえ発揮できれば、やれる手応えはある」と理論派トレーナーは息巻く。
長らく関西勢が支配するダート戦線に、関東からニューヒーローが誕生しそうな予感がする。