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その他 2015年09月07日 12時00分
【コンピューターゲームの20世紀 57】温かみのあるドット絵でPS屈指の名作RPGとなった「ポポロクロイス物語」
約40万本を売り上げたプレイステーション(以下PS)初期の名作RPG『ポポロクロイス物語』。本作はその全てがドット絵で描かれており、PSという当時の最新ハードでありながら、あえて流行りのポリゴンに走らなかった点は、特にオールドゲーマーを中心に高く評価された。先ごろついに発表された『ドラゴンクエストXI』でも、3DS版の下画面にはファミコン版やスーパーファミコン版を彷彿とさせるドット風表示が可能という点が大きな話題を呼んだことは記憶に新しい。ファミコンやホビーパソコン等で育った世代にとって、ドット絵というのはそれだけで妙な安心感を得られるものなのかもしれない。 コンピューターゲームの映像表現は、まさに日進月歩の勢いで進化を続けてきた。しかしながら、グラフィック性能の向上が必ずしもゲームそのものを面白くするとは限らないのは周知の事実である。仮にFPSやオープンワールド系の作品であれば、臨場感をより高める効果があるので素直に喜べる。が、それも時と場合によるということ。たとえばDQのナンバリングタイトルがいきなり全編実写になっても戸惑ってしまうだろう。その逆で、『24』のようなシリアスなドラマが予算の都合で途中から紙芝居になったら別の意味で全米が泣く。ポポロクロイス物語のドット絵が評価されたのも、作品にうまくマッチしていたからだろう。 閑話休題。本作のドット絵は非常にハイレベルで、笑う・泣くなどの細かなモーションがうまく表現されている。また、ストーリーに直接的な影響を及ぼさない村人などのモブキャラについても実に表情豊か。さらに彼らが話す内容も事あるごとに更新されるという凝りっぷりだ。同じことをただひたすら念仏のように繰り返す不気味な住民は誰一人として存在しない。従来のRPGに比べて世界はそれほど広くないが、その分だけ1つ1つが丁寧に作られている印象だ。ストーリーが進むたびに街や村に戻って、住人1人1人に話しかけた方も多いのではないだろうか。この没入感は見事と言うほかない。 このように、本作は世界観の作り込みが素晴らしいだけでなく、主人公のピエトロ王子と旅を供にする各キャラも個性がハッキリしているために、どのキャラにもスムーズに感情移入でき、それぞれ人気が高かった。2Dの雰囲気を壊さない程度に挿入されるアニメーションも極めてハイレベルである。また、全体的にほのぼのしたテキストが多く、作品全体に優しさが漂っている。これが女性ファンも多かった理由の1つだろう。 オーソドックスなRPGなので、システム面については特段珍しい仕掛けが用意されているわけではない。誰でも安心して楽しめるというのも本作の良さの1つなのだ。ただ、戦闘に関してはやや独特である。エンカウントするとフィールドに敵が表示され、そのまま戦闘シーンに早変わり。段差や障害物はそのままなので、キャラの位置取りが重要となる。たとえば防御力が高いキャラを前面に押し出して壁とし、また遠隔が得意なキャラについては後方で支援に当たる…といった具合に、ちょうどSPRGのような感覚。雑魚相手でもそれなりの戦略性が求められ、楽勝かと思われた通常戦闘であっても少しでも判断を誤ればあっという間に全滅してしまうなかなかシビアなバランスで、狭い通路で敵と遭遇した場合は味方が邪魔になったりと、戦闘に関してはやや難ありと言わざるを得ない。 一方、本作の正式な続編である『ポポロクロイス物語II』では戦闘の難易度が大幅に緩和されたものの、逆に物足りなさを感じるレベルに。その中間の難易度を誇るのが本作とIIの間に発売された『ポポローグ』だ。ローグライクゲーム(不思議のダンジョン系)に類する作品ということもあって、戦闘のバランスに関して言えばシリーズではこの作品が一番優れている。外伝的な作品だが、ストーリーは他2作に勝るとも劣らない内容なので、ポポロ好きならプレイしても損はないだろう。 ちなみにPS1で発売されたポポロシリーズは2D作品ということもあり、いずれの作品も戦闘シーン移行時の読み込みが皆無であった点も大いに評価されたのだが、シリーズ初の3D作品となったPS2『はじまりの冒険』についてはロード時間が非常に長く不評を買うことに。ストーリーはそこそこ評価されはしたものの、戦闘が始まるまでに10秒近くのロード時間を要し、さらに戦闘中にもたびたび読み込みが発生。そして戦闘終了後にも10秒…。これではストーリーの良さもイライラでかき消されてしまう。その続編『月の掟の冒険』ではさらにロード時間が長くなるというまさかの展開に、多くのファンが離れていってしまった。懐古厨と言われようが、再びドット絵のポポロを見てみたい今日この頃である。(内田@ゲイム脳)■DATA発売日…1996年メーカー…ソニー・コンピュータエンタテインメントハード…プレイステーションジャンル…RPG(C)1996 Sony Computer Entertainment Inc.(C)YOHSUKE TAMORI
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芸能ネタ 2015年09月07日 11時56分
擁護派だった土田晃之も佐野氏にお手上げ状態「フォローできない」
6日に放送されたラジオ番組「日曜のへそ」で、MCを務めるピン芸人の土田晃之が、佐野研二郎氏の盗作疑惑騒動にコメントした。 東京五輪エンブレムとトートバックのデザインに盗作疑惑が浮上した際には、まだ土田は佐野氏をフォローする側だったというが、エンブレムの原案にも疑惑が浮上するとさすがに土田もお手上げ状態になったという。公式エンブレムの盗作疑惑を払拭するために大会組織委員会は8月28日、エンブレムの原案を公開。盗作疑惑を完全否定したが、今度は「ヤン・チヒョルト」展のイラストと類似していると指摘され、火に油を注ぐ形となってしまった。 土田は「最近はこっちがフォローできないというね。いやこれはさって。東京オリンピックのエンブレムの原案と、『ヤン・チヒョルト』展のポスターをみなさんぜひみてください」と失笑していた。 現在では展示例画像や多摩美術大学のポスター、京扇堂のポスターなど佐野氏が手がけたとされる数々の作品に盗作疑惑が浮上。土田は「いっぱい(疑惑が)出てきちゃってるから難しい」とこれ以上フォローできないと白旗を上げていた。
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アイドル 2015年09月07日 11時48分
NMB48 須藤凜々花がファンからブルマをプレゼントされる
アイドルグループ、NMB48の須藤凜々花へファンからブルマのプレゼントがあったことを本人が発表した。 自身のツイッターで、ファンからのプレゼントを劇場で受け取り、「ありがたや」と感謝の言葉を述べた。ツイッターの画像には、ぬいぐるみなどのプレゼントの画像が掲載されていたが、「あと、哲学書とかブルマーとかも」と、そのほかにもプレゼントがあったことを説明した。須藤はかねてより、哲学が好きであることを公言しており、哲学書はその理由から贈られたようだが、ブルマを贈ったファンの真意はナゾである。 ちなみに、同じくNMB48の渡辺美優紀は、ファンから体操服をプレゼントされ、自身のツイッターで、「体操服マニアの方がおられるのか、チームBバージョンの黄色の体操服も届いてた。いつ着るんだろ」とコメント。プレゼントされた体操服の画像もアップしていた。
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芸能ネタ 2015年09月07日 11時38分
小籔千豊 加速度的に進化を遂げるが科学技術に恐怖「めっちゃ大きいデメリットある」
6日、フジテレビ「ワイドナショー」に出演したピン芸人の小籔千豊が、すさまじい速度で進化を遂げる科学技術に対して、恐怖を抱いていることを明かした。 視聴者からの意見を取り上げる「ワイドナB面」では、人工知能を搭載したペットロボット「AIBO」が未来技術遺産に登録されたことをピックアップした。「AIBO」は1999年にSONYから発売され、大きな話題となった。また、2015年には、人の感情を理解でき、さらに感情を持つ人型ロボット「pepper」がソフトバンクから発売。2045年には「人工知能の能力が全人類の能力を超える」と一部では発表されている。それにより医者、運転ドライバー、弁護士、セールスマン、会計士など様々な職業がなくなってしまうと危惧されている。 ゲスト出演した脳科学者の茂木健一郎は、人間と人工知能の能力差について「絶対に人間敵わなくなります。間違いなく」と断言し、「人間が(ロボットを)コントロールできなくなる」と警鐘を鳴らした。 小籔は「AIBO」や「pepper」の凄さを認めていたが、「ただ、自動改札機ができた時に、『駅員さんが仕事なくなってしまうで』って言うてんのを、子供の時に聞いて、いやこれって人間発明したけど、その幸せになる人たちは沢山かもしれないけど、一部の人は悲しんでるよなって思った時に、もうロボットを考えるのみんなでやめとかへんかったら、あかんかったんちゃうかなって思う。僕、もうこれ以上はいかんでええねんと思うんです」と今以上に科学技術が進化してしまうことに不安を感じていた。 さらに、科学が進歩することは良い面もあるとしつつ、「だいたい科学の発展したやつって、歴史を振り返ったら、だいたいデメリットめっちゃ大きいのあるんですよ。爆弾、インターネット…。振り返ってみたら、科学ができたことで、すごい助かったこといっぱいあるでしょうけど、全部振り返った時にこれ以上進んでいったら、もっとスゴいことできるけど、その副作用からもっと嫌な大きいことがあったりするんじゃないかなっていう…怖いね。恐怖しかない」と本音を告白した。 ただ、今後ともますます加速していくであろう科学技術。10年後、20年後、50年後、果たして世界はどんな進化を遂げているのだろうか。
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アイドル 2015年09月07日 11時33分
AKB48 島崎遥香「後輩のこと悪く言うなんて私には考えられない!」
アイドルグループ、AKB48の島崎遥香が、トークライブ「755」で、後輩へ対する思いを語った。 ファンからAKB48の大島涼花の良いところを質問された島崎は、「私、後輩は凄く好きー!」と答え、その理由を、「だって自分より年下の子が頑張ってるの応援したくなるの! あー私も昔こうだったなーとか!」と説明した。さらに、「後輩のこと悪く言うなんて私には考えられない!」とも。そんな島崎は、AKB48の憧れの先輩をファンから質問されると、「元だと前田さんと板野さんが好き!! 二人とも自分をもっていて笑顔がめちゃくちゃ可愛いです!!」と語った。
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アイドル 2015年09月07日 11時30分
AKB48 前田亜美「AKB48のCDなのに最近はAKBメンバーが少ない」
アイドルグループ、AKB48の前田亜美が、トークライブアプリ「755」で、最近のAKB48のシングル選抜について語った。 前田は「755」で、「AKB48に居るうちはAKBに貢献できればなって思う。どうしたらいいのかな? っていつも考える! AKB48に勢いが欲しい!! 握手だってAKBにいる内しか出来ないし会いにきてくれる人なんて嬉しいよ! だから頑張る!! お仕事も与えられたら頑張る! 当たり前」との持論を語った後に、「AKB48のCDなのに最近はAKBメンバーが少ないなと改めて思った」と最近のAKB48のシングル選抜の現状を素直に綴った。 8月に発売されたAKB48のシングル「ハロウィン・ナイト」は、第7回AKB48総選挙の結果から選抜されたメンバーであるが、16人中でAKB48のメンバーは柏木由紀、渡辺麻友、高橋みなみ、松井珠理奈、山本彩、宮脇咲良、島崎遥香、横山由依、武藤十夢の9名。さらに、松井、山本、宮脇は他のグループのオーディションからグループに加入して、現在は元々のグループにも所属してAKB48を兼任している立場であるため、純粋なAKB48のメンバーとなると6名しかいない。また、今秋スタートのNHK連続テレビ小説『あさが来た』の主題歌を担当することが決まっている「365日の紙飛行機」でのセンターはAKB48の兼任メンバーではあるものの、もともとはNMB48所属である山本彩がつとめることが、すでに発表されている。 前田は、「正直ハロウィンナイトのCDにも私の歌声は入ってないしPVだって映ってない」とも語ったが、「それでも私のファンの方はCDを買ってくれて握手しに来てくれて、私はファンの方を大切にしようと思う。いつも本当にありがとう」とファンへ感謝の言葉を述べた。 前田亜美は7期生としてAKB48に加入。第3回から第6回のAKB48総選挙ではランクインしていたが、今年開催された第7回AKB48総選挙では圏外であった。これまで「チャンスの順番」「上からマリコ」「永遠プレッシャー」とじゃんけん大会から選ばれた選抜に入ったことはあるが、それ以外でのシングル選抜の経験はない。
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芸能ネタ 2015年09月07日 11時20分
ついに素性が特定されたヤバすぎる“ベッド写真”が流出した女子アナ
先週発売の「フライデー」(講談社)に不倫相手との“ベッド写真”を掲載された、某テレビ局でキャスターをつとめる女子アナだが、ネット上では早くもその正体が特定されてしまった。 あまりにも写真が過激すぎるため、誌面では女子アナの目線にモザイクが入っていた。しかし、記事中の「日本を代表するテレビ局のキャスターをつとめる」、「学生時代に芸能活動を行い、大学ではミスキャンパスにも輝いていた」などのヒントから、すでに某地方局出身のフリーアナウンサーの実名が特定されてしまったのだ。 「局側としては、現状では降板させたりすることはできないだろう。後は、所属事務所が本人から申し出があった場合に対処するだけ。ただ、これで番組に出続けられたら、かなり根性が据わっているとしか言いようがないほどネットで書かれまくっている」(テレビ関係者) 発売中の「週刊現代」(講談社)によると、件の女子アナを起用している局内はうわさで持ちきり。問い合わせや苦情の電話が来る場合を想定し、上層部も対応の協議を始めたというだけに、秋の改編に合わせて降板させられる可能性も浮上しているというのだ。 「フライデー」によると、写真のお相手は1年ほど前に仕事を通じて出会った、既婚者で飲食関係をしている年下の男性とされているが、ここに来て新たな動きがあった。 ネット上でお相手として名前が特定されていた男性が5日、自身のツイッターを更新。「インターネットで某週刊誌の写真の相手が自分のような事になってますが、人違いです」と否定し、騒動に火を付けてしまったのだ。 「その男性は、某女子アナが地方局時代にリポートをした番組で共演。不倫関係にあったことの“証拠”である、目撃情報もネット上に書き込まれてしまっていた。否定したものの、ネットユーザーたちからは『誰が見ても人違いではありません』など厳しく突っ込まれてしまった」(芸能記者) 騒動がどのような形で収束するかが注目される。
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芸能 2015年09月07日 11時07分
浅田真央 CMで6回転ジャンプを披露!?
フィギュアスケートの浅田真央選手と、姉でタレントの浅田舞が6日、横浜市内で行われた佐藤製薬ストナシリーズ新CM発表会見と、CM公開収録に出席。 新CMは、しつこいカゼという悪役「ブラックスワン」と、ストナの風邪薬の成分をイメージした「ホワイトスワン」と、真央が一人二役を演じる。ワイヤーアクションも取り入れられたCMについて真央は、「吊るしてもらっていたので、何回転もできちゃって不思議な感じでした。5回転6回転はしました」と撮影を振り返った。 姉の舞は、妹の演技について聞かれ「かっこよかったです。私もやりたかった」と羨ましそうに話していた。 浅田姉妹の出演するCMは、9月6日より全国で放送される。
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アイドル 2015年09月07日 10時43分
AKB48 10周年記念 オールタイムベスト盤の発売が決定
幕張メッセで行われた「ハロウィン・ナイト発売記念大握手会&大サイン会」イベントで、AKB48の7枚目のアルバムの発売決定が発表された。 同アルバムはAKB48の10周年を記念したオールタイム・ベスト盤。週間ランキング1位のシングルを集めたTypeA。ミリオンシングルを集めたTypeB。インディーズ時代の作品を含むシングルコンプリート盤と計3種類となる。また、それぞれのTypeに収録される新曲はすべて異なる。店頭での予約開始は9月7日からスタートする。
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社会 2015年09月07日 10時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第140回 世界同時株安
2015年8月24日。世界同時株安発生。日経平均▲4.60%、上海総合株価指数▲8.49%、NYダウ▲3.57%。 翌8月25日。日経平均▲3.96%、上海総合株価指数▲7.64%、NYダウ▲1.29%。 上海総合株価指数はもちろん、日経平均やNYダウまでもが1日に1000円、1000ドルという単位で価格が変動するようになってしまった。ボラタリティ(変動幅)の拡大は、バブル崩壊期に頻繁に見られる現象だ。 上海総合株価指数は節目の3000ポイントを割り込み、中国人民銀行は同じく8月25日に緊急利下げ政策を発表した。もっとも貸出金利や預金準備率引き下げは「実体経済」の話であり、現在の異常な中国株式市場の価格下支えに役立つかどうかは不明だ。 何しろ現在の中国株式市場は、中国証券監督管理委員会が持ち株5%以上の株主を対象に、今後6カ月間の株式売却を禁止する措置を発表(7月8日)するなど、共産党の統制下にある。もはや、株式“市場”でも何でもないのだ。 そもそも、世界の貿易総量が減少に転じ、各国が需要不足に陥っているというのに、株価だけが上昇していった過去数カ月の状況そのものが異常だったのである。結局、各国の中央銀行が利下げ、預金準備率引き下げ、そして量的緩和と、金融政策を拡大しているにもかかわらず、政府が財政出動という「需要創出策」に乗り出そうとしなかった影響が一気に出始めたという話だ。 生産者がモノやサービスという付加価値を「生産」し、顧客(家計、企業、政府、外国など)が消費・投資として「支出(購入)」することで「所得」が創出される。これが、実体経済のプロセスだ。日本銀行がどれだけ量的緩和を拡大しても、誰かが銀行からの借り入れを増やし、消費や投資(設備投資、住宅投資、公共投資のみ)としてモノやサービスを購入しない限り、実体経済には何の影響も与えない。 理由は、量的緩和とは「国債の買い取り」であり、国債はモノでもサービスでもないためだ。 日本政府(日本政府だけではないが)は、ありもしない「財政問題」に足を取られ、消費税増税を強行。日本経済の要である、個人消費を「抑制」した。揚げ句の果てに、政府自ら消費や投資を減らす緊縮財政を実施し、デフレ対策については日銀に丸投げしたのである。 日本銀行は量的緩和政策を継続し、銀行から国債を買い取り続けた。銀行の貸し出し余力は高まっていったが、肝心の実体経済は“不景気”のままであり、民間は設備投資や住宅投資のためにおカネを借りようとはしなかった。結果的に、溢れかえった流動性が金融経済に流れ込み、株価を押し上げた。 先日までの日本は、好景気だから株高だったのではない。むしろ、不景気で民間の資金需要が乏しく、おカネが金融経済に偏重して流れ込んだ結果、日経平均が2万円を超える水準にまで上昇したのである。 同じ現象は、世界各国で見られた。特に酷かったのが、もちろん中国である。中国は輸入が2ケタ減で、発電容量や鉄道貨物輸送量も対前年比でマイナスに落ち込んでいる。共産党政権が認めるはずがないが、現在の中国経済はゼロ成長、もしくはマイナス成長に陥っている可能性が極めて濃厚なのだ。 それにもかかわらず、株価だけが上昇した。上海総合株価指数は1年間で2.5倍にも膨張し、5000ポイントを突破したところでバブルが弾けた。中国の株式バブル崩壊をトリガーに、世界中に株安が伝播していく。実体経済と金融経済の“乖離”が、調整されようとしているのだ。 実体経済(所得)は、誰かがモノやサービスを生産し、別の誰かが購入しなければ拡大しない。それに対し、金融経済(金融資産)の世界は、 「誰かがおカネを借り、株式を買い、値段が上がり、また別の誰かがおカネを借り、株式を買い、値段が上がる」 と、資産と負債が同時に増える形で膨張していく。政府が財政政策を怠り、実体経済におカネを回さず、株価頼みの経済運営を続けてきたのが、世界中で限界に達したのだ。 というわけで、日本経済にとっては、補正予算を組む絶好の機会が訪れた。 実質賃金は相変わらずマイナス。実質GDPも、4〜6月期はマイナス。このままの状況で推移すると、7〜9月期もマイナス成長は確実だ。2期連続の実質GDPのマイナス成長。すなわち日本経済は、またもや“リセッション(景気後退)”に突入した可能性が高いのだ。 その上、株価も大きく下落し、円高。厳密には、「有事の日本円買い」が発生し、円高になり、株価が下落(日本の株式市場の取引の65%は外国人投資家である)。この状況で補正予算を組まないというならば、政治家は不要だ。全てを「市場」に任せて、日本経済の再デフレ化を受け入れるしかない。 日本に「政治」が存在しているならば、10兆円を超す大規模補正予算を組むべきタイミングである。当然、諸悪の根源と言える消費税の再増税は「凍結」。できれば、5%に戻すべきだ。 安倍政権にとって、正しいデフレ対策を実行に移す「絶好の機会」であり、同時に恐らくは「最後の機会」が訪れた。実際、ようやく与党内で「補正予算」の声が上がり始めたようである(遅いが)。 自民党の二階俊博総務会長は8月25日の記者会見において、災害対策やインフラ整備を進める国土強靱化に「それなりの財政措置をしなければいけない」と発言。景気を刺激すると同時に、国土強靭化に資する補正予算の編成を促した。 ところが、同じく8月25日に、麻生太郎財務大臣は 「今の時点で新たな景気対策や補正予算の編成は考えていない」 と、発言。筆者は愕然としてしまった。 現在の日本の経済環境で景気対策や補正予算を否定するのでは、もはや「政治」でも何でもない。政治家であるならば、国民が貧困化していく現状を是正するために、権力を行使するべきだ。そのために、われわれ有権者は国会議員を選んでいるのである。三橋貴明(みつはし たかあき/経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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