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スポーツ 2009年03月25日 15時00分
王と長嶋〜プロ野球を国民スポーツにした2人の功労者〜(10)庶民的なDNAを持つことを誇りに
「日の丸を背負ったミスターが病気になったので、気をつけなければと、年に2度やっていたドック入り検査をもう1度増やして、念には念を入れて3度もやったのに、オレまで病気になってしまった」 アテネ五輪日本代表・長嶋監督が志し半ばで本戦を前にして脳梗塞で倒れたことで、日の丸を背負う計り知れない重圧を知ったWBC日本代表・王監督は、万全の態勢を整えたはずなのに、胃ガンという病魔に襲われた。そのショックは大きかった。 「ミスターもふだんから健康管理を徹底していた。それなのに、病気になってしまった。オレだって、必ず検査入院したり、体のことには十分過ぎるほど気をつけていたのに、病気を防げなかった。なぜなのか」という王さんの自問自答は当然だろう。 「今から考えると、胃カメラを飲んで検査しているから、絶対に大丈夫だと過信していた。バリュームも飲んだ方がよかったんだ。君たちもこれからは胃カメラとバリューム検査の両方をやった方がいいからね」。こう体験的なアドバイスを報道陣にもする。 どんな大きなアクシデントが起きても負けずに前向きに立ち向かうのが王さんだ。大好物の宮崎の釜揚げうどん、ラーメンを食べられるようにと、目標を段階的に設定して、克服していった。「最初は半分も食べられなかった釜揚げうどんがようやく一人前食べられるようになったよ。最後は一番食べにくくなったラーメンが食べられれば、もう大丈夫だろう」。1つ1つ階段を上がっていくのが、何事においても王流だ。 コミッショナー特別顧問、日本代表監督相談役としてWBC日本代表候補の宮崎合宿初日を視察した夜、原監督、コーチ陣と会食。「王さんはすごい勢いでフグを平らげていた」とその食欲の旺盛さを見せつけ、大食漢復活への順調な回復ぶりをアピールしたという。 食を巡るONの好対照ぶりも面白い。長嶋さんが宮崎合宿最終日前日に視察をしたが、その前に東京でフグを一緒に食べたという球界OBがこう語っている。「ミスターも元気になったよ。フグの刺身を箸で一気に集め、豪快に食べる、あの元気な頃のミスター流だったからね」と。今回はたまたま同じフグの話題になったが、食に関してはその場所が「居酒屋の王」VS「料亭の長嶋」という対極にあるのだ。 「ミスターはこういう庶民的な居酒屋には行けないだろう? オレは平気で行けるんだよ」と王さんは、居酒屋通いを自慢げに語る。日本食なら高級料亭、中華料理でも一流の店、個室の長嶋さんとの違いをアピールするのだ。実際に、王さんは居酒屋だけでなく、中華料理を食べるときにも、評判の街の名店というサラリーマンでも行けるような、いわゆる中華屋さんに行く。 「オレはラーメン屋のせがれだから」というのが口癖で、庶民的なDNAを持っていることを有言実行している。そのことに誇りを抱いている。 長嶋監督、主砲・王という長嶋第一次政権下の広島遠征の時も、選手宿舎から近い、道路をはさんだ斜め向かいにON行きつけの喫茶店があった。お茶を飲むのも同じ場所を嫌う、「両雄並び立たず」というわけではない。趣味趣向が全く違っているのだ。 それぞれどういう喫茶店かといえば、落ち着いた大人のムードのN御用達に対し女性客も多い華やかなO御用達だ。
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社会 2009年03月25日 15時00分
経済偉人伝 早川徳次(シャープ創業者)(17)
兄弟子たちから「しみったれ」と言われても気にしないで給金を貯めていたが、義母に取られてしまうのでは貯めても無駄だと思って暗い気持ちでいた。次の日、芳松が徳次に声をかけた。 「昨日、おっかさんが来たんだってな」 徳次は“おっかさんなんかじゃない”と思ったが黙って頷(うなず)いた。芳松は、「今度っから全部、渡しちまうことはねぇんだぞ。今にいい職人になれるんだから辛抱しな。俺には全部わかってる。しっかりしろよ」と言ってくれた。 芳松の言葉に、思わず声をあげて泣いた。 初めは8銭だった小遣い銭も、日が経つにつれて少しずつ上がった。徳次は義母に給金の全額は渡さず、少しずつ貯めていった。 坂田の店で7年7カ月の年季奉公を務める間に、徳次が貰った給金は総計48円63銭。自分の手元には残らないながら、金銭出納簿を作って記録していた。 奉公に入ってから3年も、ワラの炭の粉を付けて金属を磨く仕事ばかりしていた。明けても暮れてもウスで炭を搗(つ)いて細かく砕き、ふるいにかけて粉にして製品を磨く。こうして地金の汚れを取り、次に朴(ほお)炭という研磨用の炭で磨き、さらに硬い鋼(はがね)のヘラでこすって製品をぴかぴかに光らせたら仕上がりだ。 この一連の作業が、他の人たちから言い付かる雑用のほか、徳次に決められた仕事だった。新入りの仕事だが、後からは丁稚(弟弟子)が1人も入ってこないので、ずっとさせられていた。 人一倍辛抱強かったし、坂田の家での待遇にも不満などなかった。 ただ“ずっとこの仕事しかさせてもらえないのか”“このままでどうやって一人前の職人になれるのだろう”“下働きのまま一生過ごさなくてはならないのか”と、だんだん心配になってきた。他の人たちがやっている仕事が羨(うらや)ましくもあった。
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レジャー 2009年03月25日 15時00分
高松宮記念(GI、中京芝1200メートル、29日) ローレルゲレイロ “柔軟仕上げ”で結果出す!
今年こそ、今度こその思いがひしひしと伝わってくる。「GIを勝てる器だと信じてやってきたから。昨年とは違う結果を期待している」と昆調教師は言い切った。 昨年の高松宮記念、ローレルゲレイロは4着だった。果敢にハナを奪ったが、粘りがあと一歩足りずファイングレインの決め手に屈した。あの悔しさから1年、教訓と反省、そして工夫は「チェンジ」への起爆剤だ。 昨年のこのレースは決して本気の参戦というわけではなかった。当時はゲレイロをマイラーに育てようとしていた真っ最中。1400メートルだった阪急杯の勝ちっぷりがあまりにも良かったため、最大目標の安田記念の前にと、高松宮記念出走が急きょ決まった。いわば「寄り道」だった。 そんな経緯だから「スプリント戦が久々になってしまった。逃げることはできたけど、馬が流れに戸惑っていた」と振り返る。そこで今年はスプリント戦に狙いを特化。昨暮れには8着ながら、香港スプリントの激流も経験した。 「まるで1000メートルのような息の入らない厳しい競馬だった。ここに向けてあのレースを経たのは非常に大きい」と成果を強調した。 さらに、調教も昨年までとは変えてきた。ゲレイロは栗東坂路で常に好タイムを出すケイコ大将。これまでは馬の行く気に任せた追い切りばかりだったが、前走の中間から余裕を持たせたソフトな仕上げにしたのだ。 「馬体に幅が出てピークといえる仕上がり。これなら最後のひと押しが利くと思う」と自信を見せた。 今回は同型のサープラスシンガーが出てこない。「しかも、藤田が騎乗してくれる。彼がハナを主張すればだれも競ってこない」と鞍上の存在感も強い味方だ。 開催最終日でも、例年と違って内が伸びる今の中京。「いろんな条件がそろったね」と、これ以上ないほど、心地いい追い風が吹いている。 【最終追いVTR】坂路で単走で追われ、800メートル52秒8→38秒7→12秒7。前半からスピード感あふれる走り。もともとケイコ駆けするタイプとはいえ、ラストまでしっかりと脚を伸ばす好調教。馬体の張りも申し分なく、ピークの状態に仕上がった。
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レジャー 2009年03月25日 15時00分
日経賞(GII、中山芝2500メートル、28日) ネヴァブション 重賞V2へ視界良好
AJCCで豪快な復活劇を飾ったネヴァブション。一昨年以来、2度目の日経賞制覇を狙うが、肝心の状態面について陣営は慎重な姿勢だ。 「前走の反動が出て、1週前あたりからようやく持ち直してきたところ。最終追い切りでどこまで、(絶好調だった)前走のデキに近づくことができるかだね」と柴田助手。 中山2500メートルは3戦3勝のパーフェクトと条件はベストだけに、今週の動きが注目される。 【最終追いVTR】坂路で併せ馬を行い、800メートル49秒8→37秒0→12秒5(強め)をマークした。エアマックール(古馬1600万)を4馬身追走。徐々に差を詰めていくと、ラストは相手の動きに合わせるかのようにゴール 。デキはパーフェクトに近い。
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レジャー 2009年03月25日 15時00分
マイルGP(SII、大井1600メートル、26日) 南関の雄アジュディミツオーが復帰
昨春のダイオライト記念から1年余り。韋駄天アジュディミツオーが復帰戦を迎える。 最終追い切りは22日、船橋競馬場(左回り・良)で行われ、6F79秒9→62秒6→50秒1→38秒1→12秒5(一杯)。時計はそれほど目立たないが、調教試験時に比べて体もすっきりし、徐々に気合も乗ってきた。 「十分に乗り込んでいるが、正直使ってみないとわからない。本当に良くなるのは叩いてからだろう」と川島正調教師。ブランクが長いだけに慎重な姿勢を崩さないが、今回は得意の右回り、内田博騎手とのコンビ復活、56キロの斤量とそれをフォローするだけの好条件がそろった。 「底力に期待したいね」。2006年の帝王賞でカネヒキリに地方馬として唯一、土をつけている南関の雄がロングシュートに虎視たんたんだ。<前日発売> 26日(木)に大井競馬場で行われる「第15回マイルGP」(SII)の前日発売を25日(水)に行う。
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スポーツ 2009年03月25日 15時00分
全日本プロレス 武藤がWBCに刺激されチャンカン制覇を宣言
全日本プロレスの武藤敬司が24日、かねてから親交の深い原辰徳監督率いる侍ジャパンのWBC連覇を祝福。自身も4・5開幕の「チャンピオン・カーニバル」で2年ぶり4度目の春の栄冠獲り、「WBCを見て俺もエネルギーが沸いてきた。やらなきゃな」と奮闘を誓った。 プロレス好きの原監督と武藤は家族ぐるみで交際する仲。武藤が1995年10月7日に東京ドームで高田延彦との歴史的一戦を制した翌日に、原監督も同所で現役を引退したこともあって、2人は3年前にスポーツクラブのサウナで遭遇した際に意気投合した。 原監督率いるWBC侍ジャパンの快挙に「応援していて盛り上がったよ。本来、あの展開はプロレスのもの。野球でやらないでくれよって感じ。俺も原監督を見習わなきゃな」と祝福した。「チャンピオン・カーニバル」を控え「俺もファンの人にああいうエネルギーを分けてあげたい」と刺激を受けた。 「俺自身にもエネルギーが沸いてきた」。侍ジャパンパワーに触発され、武藤が春の祭典に向け燃えている。○蝶野と対談 武藤はこの日、スカパーサムライTVのテレビ番組「Versus#24」で、今年ともにデビュー25周年を迎える闘魂三銃士の盟友・蝶野正洋と対談。武藤が「デビュー25周年、バーターでなんかやろうよ。8月に両国大会があるからそこに出てよ」と呼びかけると、蝶野も「じゃあ俺も秋に25周年の自主興行やるからそこに出てよ。夏と秋の連動で」。
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スポーツ 2009年03月25日 15時00分
K-1 澤屋敷が背水の陣
3・28「K-1ワールドGP2009」(横浜アリーナ)で、グラウベ・フェイトーザと対戦する澤屋敷純一が24日、都内の龍道場で練習を公開=写真。背水の陣で挑む。 一昨年、ジェロム・レ・バンナを破って一躍、日本人エースとして期待されたが、その後は4連敗中。 1年前から腰痛に悩まされ状態は良くない。それでも「ラストチャンス、そういう思いでやります」と覚悟を決めた。この日は2分2Rのスパーリングで鋭いパンチとキックのコンビネーションを披露。「いま、やれる範囲内でできることをやる」と淡々と話した。
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スポーツ 2009年03月25日 15時00分
戦極 山宮「噛ませ犬じゃない」
「戦極〜第八陣〜」(国立代々木第2体育館)の追加対戦カードが24日、都内の事務所で発表。柔術世界王者ジャンジ・ヒベイロと対戦するKEI山宮が「俺は噛ませ犬じゃない」と吠えた。 ライトヘビー級ワンマッチで戦極初出陣が決まった山宮。プロ67戦のキャリアを誇るベテラン戦士は、総合でまだ1戦しかしていない柔術世界王者との対戦に「相手はすごい経歴。 多くの人が噛ませ犬だと思うかもしれないけど、俺はお前の噛ませ犬じゃない」と闘志ムキ出し。「牙も爪もあるから全力で噛みついてやる」となりふり構わず闘うことを宣言した。 会見にはライト級ワンマッチでレオ・サントスと対戦する横田一則も出席。サントス戦は、8月に開催予定のライト級王者・北岡悟の初防衛の挑戦者査定マッチとなる。
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その他 2009年03月25日 15時00分
GIダイヤモンドカップクオカードを10人にプレゼント
26日から31日まで「GIダイヤモンドカップ」を開催する蒲郡競艇。人気モデル・桃華絵里さんがデザインされた同レースのオリジナル・クオカード(写真)を10人にプレゼント。 ※プレゼントの応募は締め切りました。
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その他 2009年03月25日 15時00分
ケイリン徒然草 ライン重視の競輪にかげり
平成21年度のGI、GII開催は大幅変更となった。年3回あったふるダビは廃止となり、変わって共同通信社杯が春・秋の2回。春一番は佐世保競輪で4月16日から、秋は10月17日から取手競輪で行われる。これまでの初日特選3レースの上位3名の優秀戦が廃止となり一、二次予選の上位着者が準決に進出する。 1月開催だった競輪祭は11月に戻り20日から。新たなGIレースでは5月3日から3日間のSSシリーズ「風光る」が岸和田競輪で行われる。18名のSSシード選手が1日9名ずつのレースに分かれ、その他に6個レースのS級戦が行われる。 年末のヤンググランプリは12月28日に。SSみのりは29日、グランプリは30日となり、今年は京王閣競輪で行われる。 グランプリの選考基準は4日制以上のGIレースの優勝者と獲得賞金ランク上位者と変わらず、3日制のSSカップの優勝者は対象とならない。 それにしても年14回のビッグレースの開催は「小遣いがいくらあっても足りない」という感じで、これに各地の開設記念が入ると、ファンはほとんど毎日本場ないしは場外、電話投票などで競輪ずくめということになる。 高齢化したファンがGIIIやFIの開催に目を向けず売り上げは激減してくるのではないか、と心配だ。FIやFII、FIIIのチャレンジレースはますます売れなくなるだろう。果たして競輪は何時まで続くのだろうか…。 先日の日本選手権のレースを見ても大穴が続出、「ラインで勝負の競輪」というイメージは消えつつある。選手は危機感を持ち、生き残りをかけて必死に走っている。「車券戦術」そのものを根本的に考え直す時代に入っていると実感している。(このコラムは今回をもって終了)
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