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その他 2016年05月21日 12時00分
【不朽の名作】夏目雅子の演技が光る「時代屋の女房」、でも2役って意味あったのか
『時代屋の女房』(1983年公開)は、東京・品川区大井の骨董品屋を舞台とした村松友視著の同名小説が原作となっている。時々とある役者の演技がストーリーより強烈に残る作品というのがあるが、同作もそのパターンにあてはまる。ヒロインの真弓を演じる夏目雅子のための映画のようなのだ。 作品のジャンル的には喜劇となっているこの作品だが、序盤に渡瀬恒彦演じる安さんの骨董品屋に真弓が猫のあぶさんと転がり込む所から、ファンタジー作品のような印象を受ける。真弓が正体不明な女性であるということも影響しているが、夏目の存在感そのものが、異世界からやってきたようなのだ。もう女神か天使か妖怪かというほどに。開始数分で脈絡もなく登場し、いきなりベッドインという唐突さも、神話で女神と出会った英雄が神聖性を授けられる時によくやる展開だ。もっとも、安さんは普通の古物商のおじさんだけど。骨董品店が真弓のおかげで繁盛しているご利益はあるようだが。 ビクター犬ことニッパーの置物や蓄音機など、骨董品屋の小道具なども、真弓のミステリアスさを際立てる。いかにもな下町人情にあふれる古今東西の異物の中に、さらに異質な真弓が立っているのだ。冒頭に唐突に現れて「なみだ壺ってどうやってつかうのかしら」のシーンが印象的だ。ちなみに、このなみだ壷、同作用に考案されたもので、戦地や遠方に行った夫を思って妻が涙をためるペルシャもしくはトルコで使われていた壷という設定になっている。全く架空なものだと思っていたが、最近放映された『海難1890』で、オスマン帝国のエルトゥールル号の船員が妻の涙をビンにおさめて航海に向かっていたので、完全に創作という訳でもないようだ。 この作品、真弓と他の街の住人のギャップが楽しい。ちゃんと下町の素朴さの中で地に足のついている生活を送る住民ばかりなのに、色恋となると、とたんにダメダメになってしまう、どうしょうもなさが笑いを誘う。その中で唯一人間的な色恋の問題を超越してそうな真弓がいることで、その対比でより個々のキャラが際立つ。感覚的に男はつらいよシリーズの下町にマドンナ役のキャラが居付いた感じだ。同作が、男はつらいよシリーズに関わりのある森崎東監督のものであることも影響しているだろう。下町の人々それぞれが、活き活きしている。暗い過去も持っているキャラもいるのに、そのことを過度に感じさせないので、いい意味で、全体的にゆるい空気に仕上がっている。 ちなみに夏目はこの作品で2役を演じている、真弓が理由も告げずに時代屋からいなくなると出てくる、カーリーヘアーで東北出身の美郷がそれなのだが、始めは真弓の変装なのではと勘違いするほどだ。話が進むと別人だということがわかるのだが、この2役の意味がいまいちわからない。性格が本質的に同じ人物だと伝えたかったのだろうか。はたまた真弓を超越者という位置づけにして、別の姿でイタズラを働いていたと思わせるように誘導したかったのだろうか。その線は、安さんが、真弓の情報を聞きつけ東北に向かった際に、美郷の婚約相手であるという鈴木健一(平田満)が登場するので薄いだろう。もしかすると、出演時間的な契約の都合でそうなったのか、狙いはよくわからない。一応、安さんと鈴木の勘違い会話で、笑いを際立たせるために役立っているような気はするが、それでも、必要性をちっとも感じない。 後半は、若者とだけ役名では表記されている、沖田浩之の演じるキャラが重要になってくる。最初、この若い男と一緒に消えたということで、真弓が安さんを捨てたというミスリードを誘うのだが、そのことが違うことが後々明らかとなっていく。とある理由で死のうと思っていた若者を助けるために真弓は動いたのだ。この辺の動機もどこか浮き世離れしており、さらに真弓という人物の神秘性を煽る仕掛けとなっている。普通ここまでぶっ飛んだことをされれば、さすがに別れそうなものだが、安さんもしっかり待っているあたり、結構男女の色恋を超越した人物なのかもしれない。自分のためか、猫のあぶさんのために帰ってくるのかわからない女をよく待つものだ。真弓に悪意があれば、破滅人生一直線だぞこれ。 そういった、人間の色恋を超越した部分で愛を与える真弓というキャラに、夏目が文句のつけ所もないほどに合っている。キャストが変わった『時代屋の女房2』(1985年公開)は同作と比べるとそのミステリアスが完全になくなってしまっている所をみると、この作品はやはり夏目ありきの作品だったのだろう。もしかすると、夏目が若くして急性骨髄性白血病で亡くならなければ、この作品は「男はつらいよ」シリーズのように長期シリーズ化もあったかもしれない。コメディー要素も抑えつつ、真弓のひとりだけ神話の住人とも思える、突飛な行動にスポットを当てる方向に変化しながら。(斎藤雅道=毎週土曜日に掲載)
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その他 2016年05月21日 12時00分
60年に1度の大チャンス! 四国お遍路の旅「丙申」×「閏年」×「逆打ち」でご利益5倍(1)
全行程およそ1460km、365里にも及ぶ四国八十八カ所の霊場を巡る『お遍路』の旅。今年は五輪イヤーでもある“閏年”だが、実はこの年に『逆打ち』をするとご利益が3倍、4倍になるという言い伝えがあるのだ。逆打ちとは88番札所から1番札所へと逆に巡る歩き方のことで、閏年は通年の数倍のお遍路さんが寺巡りをすることでも知られている。 「なぜ逆打ちをするとご利益があるのか。それは、お遍路の途中でお大師(弘法大師空海)に出会える、という言い伝えがあるからです。お大師は1番から順番に回っていますから、どこかで必ず出会うということなんですね。四国遍路の始まりとして衛門三郎という人物の伝説があります。衛門三郎は天長年間の頃の豪農でしたが、ある日、訪れた托鉢僧をお大師とは気が付かず、無礼を働いてしまいます。その懺悔の気持ちから、後に四国巡礼の旅に出たのですが、20回巡礼を重ねても一向にお大師と出会えませんでした。そこで今度は逆に回ることで、とうとう出会うことができたのです。これが832年(天長9年)の閏年だったことから、閏年のお遍路はご利益が3倍、4倍になると言い伝えられてきたのです」(NPO法人『遍路とおもてなしのネットワーク』事務局長・宍戸さん) さらにもう一つ、逆打ちで弘法大師に巡り会えたという伝説が60年に一度の丙申(ひのえさる)に当たるということで、まさに丙申の今年が一生に一度のビッグチャンス「ご利益アップで5倍!」ともいわれているのだ。 では、実際にお遍路をする場合、どのような方法で巡ったらいいのだろうか。お遍路というと一般的には“歩き遍路”を思い浮かべる人も多いだろう。歩き遍路は通し打ちと呼ばれる基本のルートで巡ると、前述したように約1460キロメートルもの長い道のりとなる。早い人で1カ月〜1カ月半、普通の人でも2カ月程度は掛かる長丁場になるので、一般的なサラリーマンにとっては現実的な巡り方とは言えない。 「現在、お遍路をする人は年間で約15〜20万人ほど。そのうちのおよそ1割が徒歩です。他の方法としては、自転車、バイク、自家用車などがありますが、最近ではバスツアーで巡る人が主流ですね」(現地案内人) バスツアーでの巡礼とは主に旅行会社が企画したもので、日本全国各地から飛行機や電車などを使って四国までやってきたら、そこからバスで順番にお寺を巡る、という極めて便利な方法だ。閏年の今年は、88番から巡る『逆打ちツアー』を企画している旅行会社も多い。1週間程度の間に一気に88カ所を巡るツアーから、年間数回に分けて巡るツアーなどプランもさまざまだ。 「今年は閏年ということで、逆打ちコースを増やしています。東京、大阪、名古屋など各地から出発し、2泊3日の旅を時期をずらし5回に分けて巡ります。参加者は主に60〜70代の方が多いですが、最近は若い年代の方も増えていますね。費用は1回につき6万9990円からとなっています。4年前の閏年も、前年の8割増になりました。今年も同じように増加を見込んでいます」(阪急交通社広報部)
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アイドル 2016年05月20日 17時00分
帝国ホテルが業務委託先スタッフのツイートでAKB48渡辺麻友に謝罪
帝国ホテルがHPで、「お知らせ」として、「当社の業務委託先企業の従業員が、SNS上にお客様に関する情報を発信するという事態が発生いたしました。かかる行為は大変遺憾であり、関係者の皆様に多大なるご不快の念をおかけいたしましたこと、心よりお詫び申し上げます」との謝罪文を掲載した。 これはAKB48の渡辺麻友に対して、「渡辺麻友いたんだがwww」とのツイッターでの投稿がネット上で物議を醸していたことに対してのもの。 謝罪文では、「書き込みの内容は、ある方が帝国ホテル東京に来館されたというものでしたが、そのような事実はございません」としている。
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その他 2016年05月20日 17時00分
牛肉パワーで免疫力アップ! 薬味たっぷり「ローストビーフ」丼
夏が近づいてくると、薬味のたっぷり入ったお料理が美味しく感じますよね。独特の香りが食欲をそそる紫蘇の葉にはBカロテンが豊富に含まれていて、かぜやがんの予防に役立ちます。また、Bカロテンは牛肉のたんぱく質と合わせることで、免疫力の増強も期待できます。バターのコクと薬味のさっぱり風味がクセになる一品です。【材料 1人分】赤ワイン 大さじ2しょうゆ 大さじ1/2みりん 大さじ1/2バター 大さじ1.5塩 適量ご飯 1膳分市販のローストビーフ 5枚紫蘇のせん切り 2枚カイワレ 1/8パックねぎのみじん切り 大さじ2 1.赤ワインバターソースを作る。小さめの鍋に赤ワイン、しょうゆ、みりんを熱し、バターを溶かしながら混ぜる。バターが溶けきったら塩で味を調える。 2.温かいご飯を器に盛る。ローストビーフをご飯に載せて、紫蘇、ねぎ、カイワレ大根をトッピングする。 3.お好みの量の熱々バターソースをかけて出来上がり! しょうが、炒りごま、わさびをトッピングするのもおすすめです。 レシピ・文・写真:オダーナルみさ
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スポーツ 2016年05月20日 16時00分
シンクロ日本代表 国際大会優勝でもスパルタ・井村コーチとの埋まらない温度差
シンクロナイズド・スイミング「マーメイドジャパン」が、日本選手権兼ジャパンオープンで優勝した(5月1日)。しかし、喜びの声はない。彼女たちを指導する井村雅代ヘッドコーチ(以下、HC)は「練習から完璧なものができていない」と、リオデジャネイロ五輪本番での危機意識を口にした。 「彼女たちはすでにリオ五輪出場権を獲得しています。今回のジャパンオープンは本番さながらの緊張感で挑みましたが、井村HCの言う通り、演技は未完成でした」(体協詰め記者) 未完成だったのには理由がある。マーメイドジャパンは五輪出場権を懸けた3月の世界大会後、演技プログラムを大幅に変えたからだ。この時期のプログラム変更は、リオ本番に間に合わない危険性をともなうが、その決断には井村HCの強い信念が秘められていた。 「3月の最終予選で、日本は金メダルを争うライバルのウクライナに敗れているんです。それも、『0.0525点差』の僅差。井村HCは審査基準に関する抗議も行うほど激昂していましたが、同時に、このままではリオ本番で勝てないと察したようです」(同) 帰国直後の井村HCは、リオ出場を決めた感想を求められたが、「腹が立っただけで帰ってきた」と吐き捨て、演技プログラムの変更もすぐに強行された。 「シンクロはチームプレーです。1人がミスをすると、すべてがダメになってしまう。彼女たちはミスした選手を慰め、励ますが、井村HCの考えだと、かばい合う優しさが演技の質を落とす、と。ウクライナに負けた後、井村HCは悔し涙を浮かべるほど怒っていたのに、彼女たちは五輪出場を喜んでいました。強化合宿中の練習時間は1日平均12時間強。休日は自主練習。上を目指すなら、それくらいやらないと…」(関係者) 演技変更にはマーメイドのメンバーたちを引き締める狙いもあったようだ。井村HCは、勝てるメンバーでなければ厳しくしない。非情な練習を続けても井村批判が出ないのは、指導者としての信念が伝わっているからだろう。
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アイドル 2016年05月20日 15時00分
福岡のアイドルグループHR、メジャー3rdシングル『待っとうよ!』 MUSIC VIDEO・キービジュアル・ジャケット写真一挙解禁
博多発のアイドルグループ、HR(エイチアール)が6月22日(水)にリリースする3rdシングル『待っとうよ!』のMUSIC VIDEO、キービジュアル、ジャケット写真が解禁された。 今作『待っとうよ!』は「夏・博多・お祭り」をテーマにしたアップテンポナンバー。メンバーの衣装も「お祭り」をキーワードにこれまでとは趣を変え、ハッピを取り入れた。 ハッピの胸元には、地元福岡の球団をイメージさせる、鷹と蜂がプリントされているのも注目だ。 CDジャケットもTYPE-Aは、「飛び出す山笠盤」と呼ばれる世界最高? の特殊仕様。こちらは開封するまでのお楽しみ! そして、同時にMUSIC VIDEOも公開された。こちらは、全編博多ロケで歌詞に出てくる博多の名所での撮影となった。博多の街で神輿を担いだり、ダンスをしたり、元気に躍動するメンバーも必見のMUSIC VIDEOに仕上がっている。 今作の発売を記念し、リリースイベントの開催も決定。今週末は関東で、その後もリリースに向けて各地で多数開催される。メンバーに会える貴重なチャンスだ。情報は日本コロムビアHR特設サイトで随時更新されるので、ぜひチェックしよう。
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芸能 2016年05月20日 15時00分
酒に飲まれて警察沙汰になったHey!Say!JUMP・中島裕翔
先月20歳ほど年上で女優の吉田羊との“7連泊愛”が報じられていた、ジャニーズ事務所の人気グループ・Hey!Say!JUMPの中島裕翔だが、泥酔して30代の女性に抱きつき警察沙汰になっていたことを、発売中の「週刊文春」(文芸春秋)が報じている。 中島は「週刊ポスト」(小学館)で3月31日まで吉田の部屋に泊まったのが報じられたが、「文春」によると“事件”を起こしたのはその翌日の4月1日早朝。 30代の女性会社員から「路上で男性に抱き付かれるなどした」と110番があり、警察官が現場に駆けつけるとそこにいたのは泥酔状態の中島。通報した女性の上半身を触るなどした疑いで、現場にいた中島に任意で事情を聞いたというが、防犯カメラや微物の捜査をしても犯行を裏付けるものはなく、中島もかなり泥酔しており、故意に乱暴しようとしたとは考えにくい状況。女性からも被害届は出ておらず、事件化する可能性はほぼないという。 ところが、このままでは済まされそうにない気配。中島は7月から放送のドラマ「HOPE」(フジテレビ系)の主演に抜てきされていたが、事務所はスポンサーと局と相談して処分を検討中。何らかのペナルティを受けそうで、中島本人はショックを受けているというのだ。 「中島といえば、ジャニーズ事務所の後継者である藤島ジュリー景子副社長が猛プッシュ中。吉田との1件ではかなりお灸を据えられたようだが、いろいろストレスを溜め込んでいるようで、ついつい酒に飲まれてしまっているようだ。性格が真面目すぎることもそうなった原因のようだが、7月のドラマの後にしばらく干されることになるのでは」(週刊誌記者) 酒と女で“出世コース”からすっかり外れてしまったようだ。
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レジャー 2016年05月20日 14時50分
平安S(GIII、京都ダート1900メートル、21日)藤川京子のクロスカウンター予想!
京都11R、平安Sは◎アスカノロマンが重賞2勝目を狙います。 昨年のこのレースは15着と惨敗しましたがその後休養を挟み、昨秋の復帰戦であったみやこSで4着と好走すると、続いて2、1、3、2着とここまで掲示板を外さない堅実さ。3走前の東海Sで重賞初制覇を飾り、GIのフェブラリーSで0秒2差3着。いつもの先行策から打って変わり、追い込む競馬でも脚を使って成長力を示しました。 前走のアンタレスSは、強敵アウォーディーの強襲に合い0秒1差2着と敗れましたが、2番手追走から直線で先頭に立ち、最後まで粘り腰を発揮。差し返す根性まで見せましたからね。初めて背負う58キロが懸念されましたけどこなせていたし、もうこの馬も本物です。斤量はクリアしてくれるでしょう。 前走は少し間隔が空いていましたので1度使われた今回は、更なる上積みを見込めそう。レース後の疲れも前のようにガタガタにならなくなったようで、馬体重も安定してきて体質強化は歴然。ライバルのアウォーディーが回避で、今年は主役を張れそうです。 フェブラリーSでは、レコード決着から0秒2差の1分34秒2という走破タイムで速い時計にも対応。京都では同舞台でアルデバランSを勝っており、みやこSは不良馬場ですが、1800メートルを1分48秒3で好走。条件に不足はありませんから、ここは捩じ伏せてほしいところです。(14)◎アスカノロマン(6)○クリソライト(4)▲ロワジャルダン(11)△クリノスターオー(12)△アムールブリエ(2)△ドコフクカゼ(8)△トラキチシャチョウワイドボックス (14)(6)(4)(11)※出走表などのデータは、必ず公式発表のものと照合し確認して下さい。
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アイドル 2016年05月20日 14時30分
AKB48 選抜総選挙ミュージアム 規模も内容もパワーアップして、今年は2か所のメイン会場で開催
「AKB4845thシングル選抜総選挙」(開票:6月18日)を記念した、「AKB48選抜総選挙ミュージアム」。4回目を迎える今回はメイン会場を2か所に拡大し、6月2日(木)から6月12日(日)までパルコミュージアム(渋谷パルコPART1/3F)、6月14日(火)から6月26日(日)まで東京ソラマチスペース634(東京ソラマチEastYard/5F)で開催される。 会場には立候補した総勢272名のメンバーの個性豊かな選挙ポスターや意気込みを書いた色紙はもちろん、これまで第一位に輝いたメンバーの肖像画や一位の「椅子」など、総選挙の全てを体感できる展示が並ぶ。期間中サプライズで登場する立候補メンバーによるスペシャルステージなど、参加型のプログラムもあり、ファンのみならず一般のお客様も楽しむことができる。 今年のスペシャル企画としては、昨年に引き続き、世界的に活躍中のカメラマンレスリー・キー氏による選抜総選挙の撮りおろし作品展も、総選挙後の東京ソラマチスペース634に登場予定。バックヤードの様子など、選抜総選挙におけるメンバーの緊張感や息遣いまで伝わるような特別なショットが満載となる。
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社会 2016年05月20日 14時00分
トヨタも焦る“未来のクルマ”世界制覇を狙うグーグルの野望
自動衝突回避装置、赤外線追跡スコープなどハイテク装備満載の車が大活躍した80年代の米テレビドラマ『ナイトライダー』。車が自動運転するその様に、当時、多くの視聴者が胸をときめかせたものだが、そんな世界がまた一歩現実に近づきつつある。 今年のゴールデンウイークは自動車事故が多発した。そんな最中の5月3日(現地時間)、米グーグルが自動車メーカー『フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)』と自動運転車の開発で提携すると発表。年内にはクライスラーの最新型ハイブリッドミニバン『パシフィカ』100台の改造に着手するという。 グーグルといえばマップやネット上の検索サイトなどでおなじみだが、自動運転の開発では早くから実験を重ねており、すでに『レクサスRX450h』の改造車両など合計70台を保有している。 今回の提携で実験車両は一気に2倍以上に増えることになり、提携が成功すれば市販車の開発生産で他のメーカーに先行することが予想される。 「グーグルの提携先は他にフォードなど数社が取り沙汰されていました。FCAは他メーカーよりも技術開発で遅れを取っていたこともあり、その遅れを取り戻すためにグーグルに優位な条件で提携した可能性もあります。仮に自動運転に関連する開発費や事故などのトラブルをFCAが負ってくれるとなれば、グーグルにとっては面倒を抱えず、開発に専念できますからね」(自動車雑誌ライター) 一方、そうなるとウカウカしていられないのは他メーカー。特に業界のトップとして君臨するトヨタにとっては、新しい自動運転技術で遅れを取ること=次世代での凋落を意味する。今のところグーグルとは一定の距離を置きつつ独自開発を進めているが、今後、提携や業界の再編成などで巻き返しを図っていくことも考えられる。 日本政府は2020年の東京五輪までに自動運転車の実走行を目指しているが、自動車事故のニュースに触れるたび、飛行機や鉄道のように“お任せが一番安全”という気持ちにもなる。