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芸能 2016年05月28日 12時00分
SMAPブランド崩壊で独立&解散説が再燃
テレビ関係者が顔を合わせれば盛り上がるのが、SMAPに関する話。年内中に再び、独立&解散説が浮上するというのだ。 「今回、独立&解散に再び火をつけると噂されているのが、リーダーの中居正広(43)ですよ。もっとも、あれだけの仕打ちを受けたら、誰でもジャニーズに愛想を尽かすと思いますが…」(テレビ関係者) 芸能界で罰ゲームと噂されているのが、中居が出演するスマホ向けゲームアプリ『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』(通称・デレスケ)のCMだ。 「とにかくイタかった…。彼を知っている人間は泣いています。多くの関係者がなぜ、あんなCMを受けたのかと、首を傾げているんです」(芸能プロ幹部) その内容とは? 「中居はトップアイドルを目指す“スケートボーイ”として登場しているんですが、ひどいのがその設定。バブル期を彷彿させる歌番組のド派手なステージで、黒髪マッシュルームカットのカツラを被り、胸に星のついたピンクのタンクトップ、白い短パン姿でヘタな歌やダンスを無理やり披露させられている。いやいや、やらされているのが素人の視聴者にも伝わってくるんです」(キー局編成マン) しかも、驚くのはこのCMの出演料だ。 「以前なら中居クラスで1本当たり最低5000万円オーバーは当たり前だったが、驚くことにこのCMでは1000万円ちょっとという話です。なんでも中居で借りを作り、他のジャニタレをCM起用してもらう大人の話し合いが付いているようです」(CM関係者) 実はこのCMは氷山の一角。バラエティーなどでも新たにオファーがあった番組に関し、出演料のダンピングが始まっているという。 「以前ならバラエティー番組1本250万円だったが、最近は120万円でもOKになることがある。もちろんSMAP以外のジャニタレをブッキングすることが条件ですが…。すべてはSMAP育ての親であるI女史がいなくなったから。事務所に守る人間がいなくなったんです」(前出・テレビ関係者) さらにSMAPのポジションもだだ滑りだ。 「木村拓哉以外は基本、来る仕事はすべて受けるという方針になった。SMAPブランドは消滅したと言っていい」(放送作家) 独立問題再燃?
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その他 2016年05月28日 12時00分
【不朽の名作】格闘ゲーム原作作品としてはかなりレベルの高い「ストリートファイターII MOVIE」
ゲーム作品、特に格闘ゲームの映像化というのは、テレビ化や映画化してもがっかりする作品が多い。それは映像形態がアニメだろうと、実写だろうと同じだ。そのなかで、1994年公開の『ストリートファイターII MOVIE』は、かなりレベルの高い作品と言える。 同作はアーケードや、家庭用ゲームで大ヒットを記録していた、ストリートファイターII(ストII)シリーズで新キャラ追加や、ゲームバランスを再調整した『スーパーストリートファイターII X』を原作としたアニメ映画となっている。作品よりミリオンヒットを記録した篠原涼子が歌った挿入歌『恋しさと せつなさと 心強さと』の方が現在では有名かもしれない。 なぜ、格闘ゲームを題材とした映像作品が残念なものが多いかというと、そのキャラの多さがまずある。一応、ゲームにおいてのメインキャラは存在するが、他のキャラにもスポットを当てなければならず、特にテレビアニメでやる場合、それぞれのキャラに申し訳を立てすぎて、たとえゲームの内容を知っていたとしても、ストーリーがあちらこちらに飛びすぎて、観ていて苦痛になる場合が多い。その点この作品では、劇場作品という限られた尺のなかで、メインキャラ以外には、アクションシーンを必ず用意して見せ場を作っている。 各キャラ、登場時間には偏りはあるが、ゲームでの技再現を挟むなどし、それなりに、活躍の場を用意しているのがこの作品の特徴だ。当時新キャラであったキャミィ、フェイロン、ディージェイ、サンダー・ホークを含むと16キャラクターをさばかなければいけない状況で、この仕掛けは成功だっただろう。 また、同作のアクションシーンはかなりこだわって作られており、見ごたえがある。格闘ゲームを映像化する際に大きな問題となってくるのが、アクションシーンでの必殺技の挿入の仕方だ。カットを変更して必殺技を入れてしまうと、間の抜けたものになるケースが多いが、この辺り同作では徹底しており、打撃系・投げ技系の必殺技は通常の打撃アクションの合間に自然と挟む形で、飛び道具系の技のみ、別のカットを用意して見せるという方法をとっている。アクションシーンの動きを切らずに、流れのなかで各キャラの技が入るため、テンポがとても良い。 さらに、流れのなかとはいえ、確実にその技だとわかる演出方法になっており、原作ファンにも納得できるレベルになっているのが、この作品の印象的なところだ。当時K-1でスター選手だったアンディー・フグなどがアクションシーンの監修に入っており、かなり協議を重ねたであろう努力の数々がこのアクションシーンには活きている。打撃を打ち合う時の乾いた音なども、かなり迫力がある。また不用意にBGMを入れないあたりも好感が持てる。音楽担当に、当時ヒット曲を連発していた小室哲哉が関わっているにも関わらずだ。とはいっても、別に技名は格闘中に無理に叫ぶ必要はないとは感じるが…。 この作品、当時は声優と俳優の境界が今ほどはっきりしていなかったものの、一部キャラに現在の芸能人声優起用とも言えるものがあり、特にリュウ役の清水宏次朗の「昇竜拳!」などの叫び声がイマイチで、所々拍子抜けする部分がある。ちなみにケン役の羽賀研二と春麗役の藤谷美紀は意外と合っている。 なお、同作の春麗のアクションシーンには、特に気合が入っている。他キャラが劇中で、ゲーム遵守のコスチュームを着ているのにも関わらず、春麗だけは、Tシャツにパンツを履いているだけという薄着コスチュームで、湯上がりを襲撃してきたバルログと対決している。蹴り技を繰り出す度にパンモロになるという状態で、『仮面ライダーストロンガー』の電波人間タックルや、過去のアニメ作品で培われたパンモロ戦闘の美学をこれでもかと詰め込んでいる。その並々ならぬこだわりに、明らかにお色気シーンにも関わらず、芸術性を感じてしまう。これだけでも、この作品を観る価値はあると。 スポットのアクションシーンでメインキャラ以外の見せ場を作ることで、ストーリーラインも至って単純になっている。ゲームでもラスボスとなっているベガが首領の組織、「シャドルー」を倒すという展開になっており、原作でもベガと関わりの強い、春麗とガイルに全体的な舞台の構築を任せている。そこに流浪の旅をしているリュウを、同門で親友でもあるケンの危機を知らせて参加させるという形だ。 当時は、現在より格闘ゲームキャラクターに、細かいストーリー設定が決まっていなかったこともあり、細かい世界観の構築は割りと自由にやっている印象だ。この辺のゲームとは本来関係ない世界観の構築は、80年代後半から、90年代に流行ったOVA(オリジナルビデオアニメ)の功績も大きいかもしれない。原作ゲームのイメージを崩さない、適度なSF要素が、劇中に盛り込まれている。 これでサガットの扱いがもっと良ければ完璧だった気がする。冒頭でリュウとの因縁を演出しておきながら、最終決戦にはベガにシャドルーでの別任務を命令され参加せずという残念な状態だ。せめて、ラストのリュウが荒野を歩くシーンで、サガットを待たせるべきだったではないだろうか? シャドルーが崩壊した後にただのファイターとしてリュウと再び対決するという構図の方がいいと思うのだが、あのラストシーンをやるよりは。 ストリートファイターIIシリーズの映画化というと、同時期にジャン・クロード・バンダム主演で公開された、『ストリートファイター』ハリウッド映画版が存在する。こちらの作品は原作の面倒な設定を一切無視して、ストーリーを新たに構築したような形となっており、ネタ方面ではかなり楽しめるが、ストIIの映画であるということを考えると残念な出来だ。ストIIという人気シリーズに正面から向き合って作った作品を観たいのであれば、『ストリートファイターII MOVIE』の方をオススメしたい。(斎藤雅道=毎週土曜日に掲載)
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芸能 2016年05月27日 21時10分
松本人志 ショーケンにツッコまない浜田雅功に不満「やっぱりチキン」
27日に放送された「ダウンタウンなう」にショーケンこと萩原健一が登場、ダウンタウン、坂上忍とトークを繰り広げた。 ショーケンの登場にダウンタウンと坂上忍は番組中は終始、緊張モード。松本は、「今のは、怒りました?」と確認する場面も。 そんな番組終了後、ショーケンのファンであることを公言する浜田のツッコミが足りなかったとして、松本は、「やっぱり浜田って、チキンだよね」とコメント。さらに浜田の仕事に不満を持つ松本は、「思うねんけどさあ、この番組、ギャラを三等分(ダウンタウンと坂上忍)にするのは、その回、その回で考えへん」と提案していた。
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アイドル 2016年05月27日 20時00分
元AKB48・大島優子が物損事故 ケガはなし
元AKB48の大島優子が26日に乗用車で物損事故を起こしていたことがわかった。 所属事務所によると、大島が運転免許を取得したのは1〜2か月前。26日午後5時半ごろに、仕事の関係先に立ち寄るために新宿区のコインパーキングでレンタカーをバックで駐車させようとしたところで、誤ってフェンスに接触したとのこと。大島にケガはなかったという。
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アイドル 2016年05月27日 18時15分
HKT48 多田愛佳が羽田空港滑走路閉鎖の影響で休演
アイドルグループ、HKT48の多田愛佳が出演予定していたHKT48の「最終ベルが鳴る」公演を、羽田空港滑走路閉鎖で東京から福岡へ移動することができず、休演することになったことが、HKT48の公式ブログで発表された。 多田は自身のトークライブアプリ「755」で、「本日の公演は、休演になってしまいました。ずっと前から楽しみにしていた公演だったので、とても悔しいです。飛行機の中に2時間くらい飛び込められていました」とコメント。さらに、「自家用ジェットがあれば…」とも綴っている。
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トレンド 2016年05月27日 17時50分
北川景子、ブラビアの音声機能の正確さに驚く
ソニーのテレビ「ブラビア」のオフィシャルWEBサイトでは、女優の北川景子を起用したWEBムービーを5月20日より公開した。 今回発売した新型ブラビアは音声検索の機能に注目が集まっている。音声検索は見たいコンテンツをテレビのリモコンに話しかけるだけで、テレビが様々なアプリを横断して対象のコンテンツをすぐに検索してくれる。「Android TV 機能」とは、ブラビアが搭載する検索機能で、スマートフォンのように様々なアプリケーションをテレビにインストールすることができ、大画面でコンテンツを楽しむことができるのが魅力だ。 WEB動画でも北川がまず、「北川・映画」と音声検索をしたが、だいぶ昔に出演した映画の記者会見まで表示されていたようで、北川本人もかなり驚いていた。 また、音声検索機能は、Android TVのユーザーがかなり高い頻度で使用する機能ということもあり、音声認識はかなりの精度を誇っている。実際に北川が「マダガスカル」をあえて「マダ“タス”カル」と間違えて音声検索をかけたが、正しくマダガスカルに関わるコンテンツを検索しており、これには北川も「さすがですね、ちゃんと出ました」「すごいですね」と感心していた。 さらに早口の言葉や、長い名称でも正確に検索結果が出るということで、北川が、日本一長い駅名とされる「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前」という茨城県の駅名で検索をかけると、正確な答えをきっちり提示してくれる場面も。 北川は、このリモコンに話しかけるという機能が気に入ったようで、「リモコンに話しかけるとテレビが答えてくれるというのが、すごい新しいというか、新鮮だと思います」と感想を語る。また、話しかけてみたいコンテンツを引き出す楽しみ方にも注目し「一つのことが気になって話しかけたら、また違うことが気になって、というように、好奇心を掻き立てられる」と同機能の魅力について語っていた。 ソニーの新型4Kブラビアは今月21日に発売した。
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レジャー 2016年05月27日 17時36分
欅S(オープン、東京ダート1400メートル、28日)藤川京子のクロスカウンター予想!
東京11R、欅Sは◎アンズチャンが得意舞台で一直線に突き抜けます。 東京ダート1400メートルは(5-5-0-3)とスペシャリストで、後方から繰り出される末脚は切れ味抜群。まだオープン勝ちはありませんが昨年のこのレースの2着馬で、4角15番手から直線は猛追し、メンバー最速の上がりを披露。古馬重賞が初挑戦だった前々走の根岸Sでは、スタートは遅かったですが無理に行かせず最後方追走。道中はジックリとタメを利かせ、4角16番手のありえない位置から直線は大外を追撃。5着が精一杯でしたけど、使った上がりは34秒4と芝並みの数字。前も止まらなかったですし、勝ち馬はフェブラリーSの覇者モーニンで、一線級相手にやれたことは収穫で今後の自信にも繋がります。 展開に左右される面はありますが、重賞級のメンバーに比べたら今回は手薄で、決め手が爆発してくれそう。1分22秒台の決着も多いこのレースですけど、持ち時計も十分で時計勝負は歓迎のクチ。全馬ごぼう抜きでアンズパワーが炸裂します。(9)◎アンズチャン(8)○ニットウスバル(10)▲エイシンバッケン(3)△プロトコル(11)△キタサンミカヅキ(4)△レッドファルクス(13)△ナガラオリオンワイドボックス (9)(8)(10)(3)※出走表などのデータは、必ず公式発表のものと照合し確認して下さい。
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レジャー 2016年05月27日 17時00分
【世界のナイトスポット】ホーチミンの夜を賑わせるトリッキー集団
ベトナム第2の都市ホーチミンにはインドシナ半島、さらにはアジア大陸横断を試みる旅人たちが多く集まる。カンボジアを抜けタイやインドへ向かう者、フエやダナンを経由してハノイへと北上し中国手前で旅を終える者など様々だ。 空港を出てトゥクトゥクに10分ほど揺られれば、そんな人々が多く集まるバックパッカー街に到着する。ブイビエン通りの両側にはゲストハウスやレストラン、旅行代理店が密集し、バーやディスコからは深夜までクラブミュージックが流れ出ている。ズンズンと通りに響くリズムは旅行者達の心臓を絶え間なく振動させ、眠ることを許さない。 一方で隣のファングーラオ通りの片側沿いには約1kmにも及ぶ公園が伸びており、昼間は旅行者達の、夜はそこに地元民も加わる憩いの場となっている。スタイル維持に汗を流す女性のエアロビクス集団に、タンクトップ姿でランニングをする欧米人。ベンチにはアツアツのカップルもいれば、夜の相手を探す同性愛の方たちもいる。それぞれが自由に自分たちの時間を過ごす中で、特に強い存在感を放つのがダーカウをするベトナム人達だ。 ダーカウとはラケット代わりに足で羽根を蹴るバトミントンのような競技。彼らは幼いころからこの公園で毎日羽根を蹴っているのだろう、そのほとんどが神がかり的なテクニックを見せる。脚をクロスさせながら靴の側面で蹴り返したかと思えば、アウトになりそうな背面へのオーバーショットも脚を後ろへ蹴り上げるようにして足の裏で返してしまう。 そんな神業を見せてくれるのはなにも若者だけではない。50を過ぎているであろうおっちゃん達もしなやかな動きで熟練の技を披露してくれる。 その光景に、私も含め異国の見物客は見入り感嘆の声を上げる。そして私達の歓声に応えるように、次から次へとトリッキーな技を繰り出してくれるのだ。それはまさにショー。彼らも間違いなく見られることに快感を覚えている。 ホーチミンの街には終日、にぎやかでありながらものんびりとした空気が流れる。不思議なことに首都であるハノイではこの羽根を蹴る音を耳にすることはあまりない。ハノイは東京、ホーチミンは大阪。日本でよく聞くこの例えは、ダーカウを通して見てみるとなんとなく分かる気がする。國友俊介【プロフィール】國友俊介 (くにとも・しゅんすけ)旅×格闘技、アジアを自転車で旅をしながら各地のジムを渡り歩いている。目標は世界遺産を見ることではなくあくまで強い男になること。日本では異性愛者でありながら新宿2丁目での勤務経験を持つ。他にも国内の様々なディープスポットに潜入している。ブログ http://onkunion.blog.fc2.com/
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社会 2016年05月27日 16時30分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第176回 事実上のゼロ成長
先ごろ、内閣府から2016年1〜3月期の国民経済計算速報値が発表された。実質GDPの成長率は、対前期比0.4%、年率換算で1.7%。もっとも、今年はうるう年であった。うるう年で2月が1日分多くなると、対前期比0.3%、年率で1.2%、GDPがかさ上げされることになる。というわけで、うるう年分を省くと対前期比0.1%、年率換算で0.5%成長といったところである。事実上の「ゼロ成長」という話だ。 2015年度通年の成長率は、0.8%。2年度連続のマイナス成長は、何とか回避することができた(改定値で修正される可能性はあるが)。とはいえ、民間最終消費支出は'14年度の▲2.9%に続き、'15年度も▲0.3%とマイナス。消費税増税で大きな落ち込みになった'14年度“以上に”消費が小さくなってしまった。 名目の金額で民間最終消費支出を見ると、'13年度が約295.7兆円、'14年度が約293.2兆円、'15年度が約291.7兆円と、着実に下がってきている。 特に'15年度の民間最終消費支出が、対'14年度でマイナスになったことは衝撃的だ。'14年度に消費税増税で大きく落ち込んだ以上、'15年度に多少の「反動」はあってもよさそうなものだが、実際には「さらに落ち込む」という結果に終わったのである。 消費税増税の悪影響は長期化するという筆者の持論が、残念ながら証明された形になってしまった。 消費税増税推進派は、 「消費税を増税して社会保障を安定化させれば、国民が安心しておカネを使えるようになり、消費が増える」 などと、奇想天外なレトリックを主張していた。現実には、消費税増税により国民は「安心しておカネを使う」どころか、むしろ消費を減らしているのである。実質賃金が小さくなってしまった以上、当たり前だ。 また、個人的に気になるのが「インフレ・デフレ」の判断の源であるデフレータの動きになる。左ページの図の通り、消費税増税で一時的に跳ね上がったGDPデフレータの上昇率がゼロに接近しつつある。しかも国内需要デフレータに絞れば▲0.5%であり、すでにマイナスに落ち込んでいる。 直近の消費者物価指数(コアCPIで▲0.3%)や企業物価指数(▲4.2%)、そしてデフレータの動きを見る限り、わが国がデフレ脱却するどころか、デフレ化の方向に向かっているのは明らかだ。特に、企業物価指数が'09年11月以来、6年5カ月ぶりの激しいマイナスになっている。4月の企業物価指数の99.3は、日本経済が完全にデフレ化していた'09年11月と同じ水準なのである。企業物価指数に限れば、日本経済はリーマンショック後に「戻ってしまった」というのが現実なのだ。 再デフレ化の脅威が高まり、実質的には「ほぼゼロ成長」ということで、安倍政権は少なくとも消費税増税の「延期」は決断したようだ。本稿執筆時点で、産経新聞に『安倍首相、きょう公明・山口那津男代表と党首会談 自民・谷垣禎一幹事長とも会談 消費税再増税延期へ最終調整』という記事が報じられた。 5月26日、27日に伊勢志摩サミットが開催される。サミットの直後に、安倍総理が増税の先送りを正式に表明することになると予想する。現在は、主要先進国が「協調」して財政出動に乗り出さなければならない局面だ。 さらに、熊本・大分地震により4〜6月期の生産にも悪影響が生じている。この状況で消費税増税の見送りや、大規模財政出動に踏み出せないならば、「政治」ではない。 というわけで、サミット後の日本の経済政策のポイントを以下に整理しておく。(1)消費税再増税の判断:予定通り実施か、延期か、凍結か、減税か。 むろん、最も望ましいのは「減税」だが、現実には「延期」が濃厚である。「何年、延期されるのか」が焦点になってくる。(2)財政出動の規模と質と期間。 現在の日本にとって必要なのは、10兆円規模のインフラ・技術への投資を中心とした財政出動を複数年間(最低でも3年)は継続することだ。幸いなことに、現在の日本にはリニア中央新幹線や北陸新幹線、ILC(国際リニアコライダー:国際協力によって設計開発が推進されている将来加速器計画)など政府が支出しなければならない「プロジェクト」が複数、存在する。やるべきことに政府が継続的に支出することで、デフレ脱却はようやく現実のものになる。(3)先進7カ国が、どこまで財政出動の拡大にコミットするか。 日本、アメリカ、フランス、カナダ、イタリアの5カ国は、協調的な財政出動で合意可能だ。問題は、残る2カ国、特にドイツである。(4)財政健全化目標の「修正」ができるのか。 プライマリーバランス黒字化などというナンセンスな目標を捨て去り、政府の負債対GDP比率というまっとうな(相対的に)目標に変更できるのか。 特に重要なのは実は(4)で、財務省や財政至上主義の政治家たちは、いまだに、 「プライマリーバランスを黒字化させなければならないから、予算は増やせない」 と、経世済民を無視した財政均衡主義の教義を貫こうとしている。結果、熊本・大分地震の復興予算すら「国債金利のマイナスで浮いたおカネ」を回すという異様な経済政策が続いている。国債発行は断固拒否、という状況だ。 プライマリーバランス黒字化目標を破棄もしくは「事実上の破棄」にしなければ、たとえ今回、増税延期や財政出動が決まったとしても、'17年度には元に戻ってしまう。短期のプライマリーバランス目標を掲げている以上、長期的な「非・緊縮財政」は不可能なのだ。 安倍総理が本気で日本経済をデフレから脱却させたいのであれば、プライマリーバランスなどという「デフレ化目標」の破棄を宣言するべきだ。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2016年05月27日 15時30分
安倍首相が大博打! 「衆参」&「都知事」トリプル選挙
一連の政治資金の私的流用問題をめぐり、舛添要一東京都知事が「第三者の調査にゆだねる」と逃げを打ったことで、都民の怒りのマグマは頂点に達し、都知事辞任が現実味を帯びつつある。そんな中、永田町では安倍首相が衆参ダブル選挙に加え、都知事選も含めての“トリプル選挙”を画策し始めたと囁かれ始めた。その狙いは何か。 まずは、選挙アナリストが舛添氏の置かれた立場を、こう解説する。 「すでに都議会最大与党の自民党は、舛添氏はもう持たないと腹をくくっている。6月1日からの都議会でも舛添氏は火だるまになるでしょう。なにより、辞任しないと他の審議が一切進まなくなる。結果、早々に辞任に追い込まれますよ」 安倍首相周辺関係者もこう明かす。 「自民党、特に安倍首相は、本音では舛添氏を嫌っていた。というのも、第一次安倍政権時、舛添氏は自民党所属の参院議員でしたが、'07年の参院選では『“安倍首相と一緒に頑張ります”なんて言ったらダメ』と発言する有様。さらにその参院選で自民党が大敗して安倍首相が続投宣言すると、『自民党はショック死状態』と猛烈に批判していた。ところが改造内閣で厚労相に起用されるやピタリとそれを止め“マッチポンプ政治家”と陰口を叩かれる始末。安倍首相は辛抱して舛添を起用していましたが、その後もアダで返したのです」 というのも'09年、麻生内閣が民主党に大敗し政権を奪われるや、舛添氏は「自民党の歴史的役割は終わった」と宣言し、離党に走った。これには自民党も激怒したのは言うまでもない。 「しかし'14年の都知事選では、自民党が勝てる候補ということで仕方なく再び舛添氏を担いだのですが、その足元を見てますます図に乗った。新国立競技場問題でも、批判の的だった当時の総工費2500億円を安倍首相が白紙にすると、舛添氏はツイッターで『主張の整合性よりも内閣支持率が優先か?』と揶揄したり、自民党の改憲案を批判するなどやりたい放題。その度に安倍首相は、陰で歯ぎしりをしていた」(同) それだけに安倍政権は、今回の問題で窮地に陥った舛添氏をざまあ見ろとばかり、まったくかばう姿勢を見せない。そればかりか、ここぞとばかり舛添氏を追撃し辞任に追い込み、息の合う新都知事の擁立に向け動き出したのだという。その筆頭は、本誌が前号でも報じた橋下徹前大阪市長だ。 首相周辺関係者が言う。 「舛添氏の問題発覚から、都議会自民党幹部と官邸周辺が綿密に何度も会議を重ねている。もちろん都知事選は東京都の専権事項ですが、そのプロセスで安倍首相がトリプル選挙を模索し始めたのは確かです」 一方、再三にわたり囁かれている衆参ダブル選挙についてはどうか。 「安倍首相は熊本地震のために半ばあきらめていた衆院選挙を、一転して決行で腹を固めた。その理由は3つある。1つは、自民党と安倍内閣の支持率が高いうちの判断。報道各社の支持率が軒並み上がり、逆に民進党は下がっている状況にあります」(同) 確かにNHK調査で安倍政権支持率は42%(4月)から45%(5月)、さらに政党支持率は自民党が34.9%(4月)から37%(5月)とアップしている。対し野党第一党の民進党は9.1%(4月)から8.2%(5月)と下落。安倍政権支持率の上昇の理由は、熊本地震への対応や米オバマ大統領の広島訪問実現のためと見られている。 2つめの理由は、消費増税だ。 「増税後は支持率は下がる。となれば衆院選はなかなかやりにくくなる。やるなら今しかないでしょ」(首相周辺関係者) 3つめは、野党の選挙準備が十分に整っていない段階での即行にある。 「民進党はようやくロゴマークが決まったようだが、支持率は落ちて出鼻をくじかれた。野党統一候補も、参院一人区ではなかなか決めにくい。手を上げる人が多い衆院はさらに準備が整わない」(同) 加えて、この衆参ダブル選+都知事選のトリプル選挙となる可能性を、首相周辺関係者はこう話す。 「都知事選で橋下氏の担ぎ上げが成功すれば、衆参両選挙で、おおさか維新の会が大幅に議席を伸ばす可能性が出てくる。となれば、憲法改正のための3分2の議席を得る可能性も出る」 さらに決定的な理由は資金力にあるという。 「最後はカネ。自民党の政党交付金は172億円で、財界献金などを合わせれば資金力は700億円とも。対し民進党は100億円で、献金やパーティー券はあてにならない。今度の国政選挙から、18歳以上の選挙権で約240万人が加わる。そのため都知事選を含め新選挙民を取り込むさまざまなキャンペーンや祭りが必要で、莫大なカネがかかる。その面でも、トリプル選挙となれば自民党は圧倒的に有利に立つ」(同) 伊勢志摩サミットでいよいよ弾みをつけたい安倍政権。しかし、そこへ何が水を差すかは分からない。 「最大の懸念は、甘利前経済再生相の献金疑惑がいつ炸裂するかだ。他にもまだ燻っている閣僚級の疑惑もあるという話。それが明るみに出れば、安倍首相と自民党には地獄絵図が待っている」(全国紙遊軍記者) やはり一寸先は闇か。