今回のライブでは、5月に亡くなった西城秀樹さんの名曲「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」が歌われたほか、8月に亡くなったさくらももこさんの代表作といえる『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)のエンディングテーマとなった「100万年の幸せ!!」も披露されファンを驚かせた。この曲はさくらさんの作詞に桑田が曲をつけた合作というべきものである。
これを受け、ネット上では「とても62歳とは思えないパワフルぶりだな」「きちっと日本のポピュラーミュージック史に対するリスペクトが込められているのが心地いいね」といった桑田を讃える声が聞かれる。
だが、桑田といえば、サザンオールスターズを含めて紅白にあまり縁のないミュージシャンとして知られる。これはなぜだろうか。
「サザンオールスターズはデビュー当初は、1979年の第30回大会に『いとしのエリー』、1982年の第33回大会に『チャコの海岸物語』、翌83年の第34回大会では『東京シャッフル』とヒット曲を引き下げて出場しています。しかし、その後は長い沈黙を挟んで、2014年の第65回大会に特別出演として『ピースとハイライト〜東京VICTORY』を披露しています。このほか、桑田佳祐ソロとして、2010年の第61回大会と、2017年の第68回大会に出場しています」(音楽ライター)
2010年代には出演は解禁されているとはいえ、あくまでも「特別出演」の立場を崩していない。これはなぜだろうか。
「実はサザンオールスターズは、デビュー当初は、コミック色の強い“お騒がせバンド”として知られていました。1982年の大会では白塗りのメイクに和服姿で登場し、『受信料は払いましょう』『裏番組ではビデオ録画で』といった発言を繰り返しました。これに、ふざけすぎていると抗議が殺到し、NHKが詫び状を要求するも桑田側が突っぱねたといわれています」(前出・同)
とはいっても、最近では条件付きながら出演を行っているわけで、桑田の中に何かしらの気持ちの変化が生じたのは確かだろう。