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高齢化が止まらない“おじん軍” 巨人から若手野手が出てこない理由

 巨人のプロ2年目左腕、19歳の田口麗人(2013年ドラフト2位)が一軍デビュー戦を先発登板し、見事に勝利で飾ってみせた。試合後のお立ち台では自己紹介をし、その初々しい姿に、巨人投手陣の選手層の厚さと若い世代の台頭を実感したファンも多かったことだろう。しかし、巨人というチーム全体を見渡せば、野手を中心に高齢化を辿っている。
 「田口が先発デビューした4月11日、スタメンの野手で20代は坂本勇人だけでした。主力選手の故障と不振が相次ぎ、坂本が4番打者に入ったため、『第62代巨人4番打者誕生』みたいな騒がれ方をしましたが、20代のスタメン野手が坂本だけでは先が思いやられます」(プロ野球解説者)
 巨人の一軍登録野手を見渡してみても、20代は坂本と小林誠司(25)のみ。

 レギュラー野手の高齢化といえば、ここ数年ずっと中日も指摘されてきた問題だ。しかし中日は、昨秋のドラフト会議で社会人野球出身の野手を大量指名し、若干ではあるが若手野手がスタメンに名を連ねるようになりはじめた。
 それに対して巨人は、1番打者にDeNAを解雇された金城龍彦(38)を起用し、捕手の相川亮二の故障離脱によって一軍登録されたのは34歳の実松一成。捕手は他にも23歳の河野元貴と鬼屋敷正人がいるが、若い選手を抜てきする度量を見せることはできなかった。
 「高い実績を残した選手が多いので、そういう選手を差し置いて実力が未知数であったり、使ってみるまで分からない若手選手を気軽に使うというわけにはいかないんです。FAで野手補強も続けてきたので、若手、中堅の出場機会は自ずと少なくなってしまう」(同)

 阿部慎之助(36)を捕手へ復帰させた際にも、空いた一塁へ入ったのは井端弘和(39)だった。
 「井端は今季、二塁手としてレギュラーの座を掴みました。井端の守備能力は高く、寺内や藤村といった中堅どころの選手とは比べものになりません。その井端を一塁へ回したときに、二塁手には彼らではなくベテランの片岡を選択した。その理由は、打線全体が低迷していたからです。片岡は寺内、藤村より打撃がいい。20代の控え内野手は打撃の実績が乏しい選手ばかりだからです」(スポーツ紙記者)

 これが一塁手井端、二塁手片岡の布陣を選択した理由だが、他にも井端が一塁手を任された理由がある。通常だと二遊間の選手や捕手が出しているバントシフトなどのサインを、巨人では一塁手が出す場面があるため、野球偏差値が高い選手でなければ一塁手が務まらないのだ。そうなると、経験値の豊富なベテランが重宝される。巨人の中堅、若手が一塁手で試合に出るためには、長打力といった打撃はもちろんのこと、高い守備能力も求められるというわけだ。
 「言い換えれば、巨人では一度レギュラーを掴んだら、5年は安泰になるという図式です」(前出解説者)

 原監督に近い関係者によれば、不振の村田修一(34)をスタメンから外すとき、高卒ルーキーの岡本和真(18)を大抜てきすることも考えているという。しかし、二軍首脳陣は守備難をクリアしていないことを理由に猛反対しているそうだ。日本社会同様に巨人も高齢化が止まりそうにない。これでは、巨人軍ではなく、“おじん軍”だ。

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