二回アニメ化もされた、同誌の看板漫画だった『げんしけん』の続編となり、短期集中連載となる見通しだ。
◆「オタク」ブームの中心コンテンツだった『げんしけん』
かつて「アキバ系」や「萌え」という言葉が急速に広がっていった時期があった。そんな頃に、一般人の「オタクってどういう人種なの?」という疑問に、「大学のオタクサークルに入部した主人公と、そこに集う個性的なオタクたちの織り成す物語」という、格好のサンプルを提供したのが『げんしけん』だ。
もちろんオタクの間での人気も物凄かった。特に真正のキモオタを自認しながらも、一般人の女性への恋心の間でもだえ苦しむ名脇役・斑目と、ストーリーが進むにつれ徐々に自分をさらけ出していった巨乳コスプレ腐女子・大野さんに人気が集まった。
◆リアルな同人活動も描く 同人描きはプロ作家になれるか?
前作『げんしけん』後半のストーリーは、主人公・笹原と、自分のやおい趣味で恋人を傷つけてしまったトラウマを持つ腐女子・荻上の恋物語に収束していく。 サークルメンバーや笹原・荻上は同人作家としてコミケ(作中では「コミフェス」と表記)にも参加するのだが、そこでは初参加のサークルが売れ残りを出したり、大手である「壁サークル」の規模が半端なかったりといった、同人イベントのリアルな実態も描かれる。
笹原の恋人となった荻上は、結局「壁サークル」を目指すというより、オリジナル原稿を描いて雑誌の新人賞に応募する、という方向性をとったようだ。同人描きが最下層から「壁」へと成り上がる過程をリアルに描いたような漫画があったら、面白いかもしれない。(小山内)
【参照】非モテタイムズ
http://himo2.jp/