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管理野球を掲げた工藤公康監督 おせっかいが過ぎてチーム空中分解の危険も

 新生工藤ホークスがスタートを切った。
 前年に日本一になっているチームを率いることになった工藤公康ソフトバンク新監督(51)に課せられているのは、常勝軍団の構築。キャンプインした際に早くも工藤カラーが見てとれた。
 「工藤監督自ら投球フォームを指導する場面が見られました。ウォーミングアップは昨年よりも長い80分間が費やされたのも、工藤監督の方針です」(現地取材陣)

 だが、工藤監督はキャンプ前のスタッフ会議で、各担当コーチにこう通達もしていた。
 「選手には自己管理の徹底を…」

 それはグラウンド外においても、睨みを利かしていくことを意味している。今季から、ソフトバンクは『茶髪・金髪』が禁止となり、練習場所を移動する際には気分転換のためにガムを噛むこともNGとなった。『自己管理』には食生活も含まれており、遠征中にハメを外しすぎた選手がいれば、容赦なく二軍落ちを通告するという。
 「昨年のいまごろ、伊原春樹監督が選手たちの髪型や服装を厳しく注意していました。年配の世代からすれば、伊原監督の主張は間違っていませんが、これが現代っ子気質の選手たちからの求心力を失うきっかけとなり、後のシーズン途中解任にも繋がりました」(ベテラン記者)

 工藤監督は解説者時代に理想の監督像を聞かれ、広岡達郎、森祇晶両氏の名前を挙げていた。両氏は人材育成に優れた指揮官であり、工藤監督は若手時代に鍛えられた経験がいまの自分に繋がったと考えているそうだ。
 「新人監督は自分が最も影響を受けた指導者のやり方を踏襲すると言われています。そこに自己流のアレンジを加えたり、チーム状況に適したやり方に改良し…」(同)

 工藤監督、伊原氏は西武ライオンズの出身だ。伊原氏はコーチとして黄金期を築くのに一役買い、工藤はエースとしてチームを牽引してきた。広岡、森のイズムを継承したとしても決しておかしくはないが、当時はこの2人のやり方が管理野球とも揶揄され、生活面にまで及ぶ指導法は息苦しいものでもあった。
 伊原氏が失敗したのは、管理野球を若い選手に適した現代風にアレンジできなかったためだ。工藤監督も単に選手を縛りつけるだけなら、同じ轍を踏むことにもなりかねない。あるプロ野球解説者がこう言う。
 「監督は、担当コーチに役割を任せ、あまり動き回らない方がいい。工藤監督は若く、選手を直接教えるだけの体力もあります。自分の意に沿わぬ意見が担当コーチから出たとしても、それを受け入れる度量のある指揮官は成功しています」

 一部では、投手育成のスペシャリストでもあり、年長の佐藤義則コーチ(60)と大学講義で理論を習得した工藤監督との折り合いを懸念する声も聞かれた。
 このキャンプの最大の懸案事項であり、工藤監督と佐藤コーチが着手しなければならないのは、松坂大輔(34)の蘇生だ。いまのところ、松坂本人に調整を任せるが、2人が理論を戦わせることになるかもしれない。ホークスのキャンプは色々な意味で厳しいものになりそうだ。

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