本作は、2017年に吉高由里子主演でドラマ化された漫画「東京タラレバ娘」の原作者、東村アキコ氏による同名漫画が原作だ。報われない婚活に疲れた32歳独身の濱鐘子(杏)は、博多へ一人旅に向かう飛行機の中で、イケメンカメラマンの伴野丈(宮沢氷魚)と運命的な出会いを果たすも、「自分は既婚者だ」と嘘をついてしまう。しかし、鐘子に惹かれている丈は、鐘子に「僕と不倫しませんか?」と提案する――というストーリーだ。
しかし、原作では物語の舞台は韓国で、ドラマでは博多と変更されている。さらに、原作では鐘子の相手役は韓国人のジョバンヒ。ドラマでは日本人設定に変更されているのだ。原作ファンからは「杏の相手役、伴野丈って日本人じゃん!韓国人設定なんで消したの?」「韓国人と日本人っていう、独特の距離感が好きなのに!」「ジョバンヒ日本人とかわけわかんない。見る気失せるわ」とSNSを中心に、怒りの声が多数寄せられている。
原作では、韓国人ジョバンヒの名前は、鐘子の好きな文学小説「銀河鉄道の夜」の登場人物、ジョバンニと一文字違いという、運命的な共通点が描かれている。また、鐘子という名前も、登場人物のカムパネルラ(イタリア語で鐘の意味)と似通っている。つまり「ジョバンニ」という韓国人の名前は、物語のキーポイントなのだ。原作ファンが怒りを覚える大きな理由はここにあるのだろう。
「原作ファンの間では、韓国人設定を消した理由は、“韓国のロケ費用を削減するためか?”とも囁かれていますが、実際のところは、韓国との領土問題や過激な反日家の存在によって、韓国に嫌悪感を持つ人々と、K-pop好きの若い世代が対立し、炎上してしまうことを恐れている部分が大きいでしょう。最近では、日本政府が半導体材料の韓国への輸出規制を強化したことで、韓国のネット上では、“日本の製品は買わないようにしよう”という日本製品不買運動を呼びかけるツイートが拡散され、問題となりました。日韓の不安定な関係を刺激しかねない設定は、避けるべきだと判断したのかもしれません」(ドラマライター)
さらに、伴野丈役の若手俳優、宮沢氷魚のキャスティング自体にも不満の声が挙がっている。原作のジョバンヒは、ハイトーンのさらさらヘアで、中性的で色気のあるイケメンという設定だ。対する宮沢氷魚は、少しクセのあるマッシュヘアで、“年下感”満載の、人懐っこい雰囲気だ。これを受けて原作ファンからは、「宮沢氷魚ってイケメンっていうより、雰囲気イケメン」「宮沢氷魚は韓国イケメンじゃない!韓国イケメンはもっと目が切れ長だよ〜」との指摘があった。
しかし、宮沢氷魚は「島唄」で一世を風靡した人気バンド「THE BOOM」のボーカリスト、宮沢和史の息子だ。ICU卒という高学歴を持ち、現在はモデルとしても活躍しながら、『コウノドリ 第2シリーズ』(TBS系)や『賭ケグルイ Season2』(MBS系)にも出演している注目の俳優である。
また、数々の不満の声が挙がる一方で、「原作は完結してないから、どんな結末になるのか楽しみ!」「東京タラレバ娘のドラマもよかったから、今回も期待してる」と前向きな声も挙がっている。
果たして、ドラマオリジナル設定で、どこまで原作の世界観が再現されるのだろうか?今後の放送に期待したい。