6月27日に開かれた判決公判で、東京高裁は被告の控訴を棄却し、1審判決の「懲役50年」を支持。7月11日に被告が最高裁への上告を断念したため、刑が確定したのだ。
この控訴審に臨んだのが、静岡県駿東郡に在住していた小沢貴司受刑者(35)。
司法記者が言う。
「なぜ懲役50年になったかを理解するには、多少の説明がいる。というのも、我が国の有期刑の最高は30年だからです。実は小沢は'01年〜'10年に9件の強姦事件を起こしているのですが、その間に窃盗罪で一度有罪判決を受けている。これが原因でそれ以前とそれ以後の事件が分離裁判となり、合算で半世紀もの懲役刑が言い渡されたのです」
静岡地裁沼津支部で行われた一審裁判では、'01年〜'08年までの5件が懲役24年。さらに'09年〜'10年間の4件が懲役26年との判決が下されていたのだ。
ただ、司法がここまで重刑を背負わせたのには理由がある。同受刑者のレイプ手口が、それだけ残忍さを極めていたからなのだ。
「最初の犯行は'01年10月。ヤツがまだ24歳の時で、静岡県富士市の路上で、20代女性の首を絞めて顔面を殴打。草むらに押し倒してレイプしたのです。だが酷いのはこの後。コトが終わって女性がスカートを身に着けようとすると、小沢は再び欲情。押さえつけて全裸にし、2度目の凌辱を行った。女性は全治10日の傷を負ったのです」(同)
また'08年8月には、清水町の路上を歩行中の20代女性を道路脇の会社の敷地に引きずり込み、顔を殴りながら「お前、殺されたいの」などと脅迫。フェンスに押し付けながら強姦した。
同受刑者の手口は有無を言わせぬ力ずくで、女性が抵抗を諦めたら2度、3度と本能のままにレイプするものばかりだったのだ。
要は、「懲役50年」は身から出たサビ。卑劣なレイプ魔は断罪の末、塀の中に落ちたのである。