◎ゴールドシップ
○アダムスピーク
▲トリップ
△グランデッツァ
△ワールドエース
TRなど直近レースのイメージが強く残りがちで各馬の力量比較を見誤ることはままあることだが、弥生賞コスモオオゾラ、若葉Sワールドエース、スプリングSグランデッツァよりも“前に来る”可能性のある馬は何頭かいるのではないか。自分が春の牡馬クラシック2戦を考える上でTRよりも重要視しているのは暮れのラジオNIKKEI杯での力関係。ここの上位馬を主軸として皐月、東京優駿を予想すると、当たらずも遠からずといった具合ではあるもののKY(勝ち馬、読めず)と嗤われることもない。
さて、そのラジオNIKKEI杯だが、道中は馬群の内内で脚をためて直線で外2頭の叩き合いを尻目に内から一気に抜け出したアダムスピークが優勝。緩いペースでもきっちり折り合い、ここぞの瞬発力が光った。ゴールドシップは後方待機から3〜4角で外を回って一気に進出、好位から抜け出しを図るグランデッツァ、トリップ両頭との叩き合いを捻じ伏せる格好で2着。いい脚をかなり長く使っておりアダムの瞬発力とは違った魅力がある。このレースでは3着のグランよりもソエの痛みを抱えながらも直線半ばまで見せ場を作った4着トリップの方を評価すべき。年が明けて、ゴールドが共同通信杯を、グランがスプリングSを勝っていることから、アダム、トリップも両方のレースで2着だったディープブリランテよりは“上”と考える事ができるのでは。共同通信杯でディープよりも後ろだったコスモオオゾラに弥生賞で敗れたアダムとトリップではあるが、休み明け、滑る馬場などなど…敗因は歴然。ともに一叩きして調子は急上昇、本来のデキに戻っているので巻き返し必至とみるべきだ。
この4頭に対戦比較のできないワールドエースを加えた5頭までが机上の掲示板。いずれも甲乙つけ難いが、個人的には1990年の皐月賞を勝った芦毛馬ハクタイセイとイメージが被るゴールドシップ◎。皐月賞は南井克巳(現調教師)騎乗だったが、その前のきさらぎ賞まで主戦を務めていたのが同馬を管理する騎手時代の須貝尚介調教師だった。当時はまだ今のようにころころと騎手が乗り替わる時代ではなく“主戦騎手”の重みがあった。主戦として乗り続けてきた馬がGI直前に“鞍上強化”の意味合いでトップジョッキーへ乗り替わる…悔しさはもう風化したかもしれないが、騎手として逃したタイトルを調教師として同じ芦毛馬で取り戻す、そんなドラマを期待している。
【馬連】流し(14)軸(2)(3)(9)(18)
【3連単】フォーメーション(2)(9)(14)→(2)(3)(9)(14)→(2)(3)(9)(18)
<プロフィール>
仲町通(なかまち・とおる)
在京スポーツ紙の競馬記者として美浦・栗東トレセンに足を運ぶこと20年。厩舎関係者への綿密な取材の下、穴党として数多くの万馬券ヒットの実績を持つ。この春、フリーとして転身。本名非公開。
※出馬表などのデータは、必ずJRA公式発表のものと照合し確認してください。