まず第1回目は6月26日(日)に北海道で開催される【サロマ湖100kmウルトラマラソン】について。
えっ!? 100km? 思わず驚いてしまった。マラソンは確かに長距離というイメージだろうが、100kmとはいくら何でも長過ぎだ。率直に思うことは「人は100km走るとどうなるのだろう…」という疑問。私は駅伝、その後の社会人ランナーを経験したが、せいぜい走っても50kmまでだ。それでも正直かなりキツイ! 想像するに24時間マラソンのような状態だろうか。
早朝5:00スタート、それから早い人は7時間前後、完走する人で12時間前後走り続ける訳だ。まず目を惹いたのは、ポイント毎のドリンクや食べ物。水・スポーツドリンク・バナナ・アメなどの補給物はうなずけるが『スペシャル』とあるのが、どうも気になる。どうやらウワサによるとその『スペシャル』なる正体は『おしるこ』らしい。何で? 北海道はあずきの産地だから? でも餅は胃に重くないのか? 色々な疑問が湧いてくる。しかし、この大会はこんなに過酷な条件でも大変人気があるという。それはこのサロマ湖100kmマラソンを10回以上完走した者だけに与えられる『サロマンブルー』という称号。その名誉ある称号を目指し、この超長距離を毎年走るのだ。私の事務所の社長の知人で片柳法子さんという60才代のご婦人は、この『サロマンブルー』称号の持ち主だそうだ。普段は善福寺川ランナーズというサークルに所属しており、日々精進している。そしてこの100kmマラソンに照準を合わせ称号を手にしたのだ。片柳さんは今回で12回目の出場。その年齢からは考えられないほどの体力と気力である。人は時として信じられない力を発揮する─と実感させられるのだ。
この称号も価値あるものだが、サロマ湖のコースの景色もまた素晴らしいという。朝日を見ながらスタートし、美しい自然の中を走り抜け、夕日に迎えられてゴールする。本当はこちらの方がこの大会の醍醐味なのかもしれない。私もいつかこの荘厳な夕日を見てみたいと思う。
<プロフィール>
西田隆維【にしだ たかゆき】1977年4月26日生 180センチ 60.5キロ
陸上長距離選手として駒澤大→エスビー食品→JALグランドサービスで活躍。駒大時代は4年連続「箱根駅伝」に出場、4年時の00年には9区で区間新を樹立。駒大初優勝に大きく貢献する。01年、別府大分毎日マラソンで優勝、同年開催された『エドモントン世界陸上』日本代表に選出される(結果は9位)。 09年2月、現役を引退、俳優に転向する。10年5月、舞台『夢二』(もじろう役)でデビュー。テレビ『SASUKE2011』(TBS系)映画『ニャチャンへの道』(監督:中村英児)、イベント・雑誌等多数出演。7月23(土)から舞台『MOTHER 〜特攻の母 鳥濱トメ物語〜』に出演。