これぞ勝利の方程式!?
7歳の老雄バランスオブゲームが最終追い切りを予定していた今朝、前走オールカマー時に続き、再び“ちょい悪オヤジ”ぶりを発揮した。
最近は坂路、コースを問わず、馬場入りを拒否する面が出てきて、陣営が調整に四苦八苦するシーンが多いが、この日も坂路のスタート付近でお得意の“フリーズ”。乗り手と十数分の格闘の末、あきらめた陣営は北馬場に移動させ、角馬場を周回するにとどまった。
「坂でゴネちゃって。仕方なく北の角馬場に入れました。明日はまた朝一番にやるつもりですが、(コースは)どこに入れるかはこれから考えます」と宗像師は戸惑いを隠せない様子で囲まれた報道陣にこう話した。
とはいえ、同じくこう着→追い日を1日延ばしたオールカマーでは、戦前の不安を一掃し、コスモバルクの猛追をハナ差退けた。「前走も、先週も、それで1日延ばしたんだけど、競馬で結果を出しているのだから心配ないよ」と師。この中間は15日に初時計(800m51秒9)を出すと、20日には50秒9→36秒3→12秒9。22日にも北Cコース(ダート)で5F68秒4をマークするなど、量は十分こなしている。
すでにGIIは歴代最多の6勝をマークしているものの、いまだGI勝利はない。「どうも本番に弱いというか…。力はあるのにね」と同師がぼやくように、過去、GIでは平成16年の安田記念と、ディープインパクトと対戦した今年の宝塚記念の3着が最高の成績だ。
が、今回は最大のチャンスが巡ってきた。ディープもハーツクライ(有馬記念)も不在。東では毎日王冠1、2着のダイワメジャー、ダンスインザムード、西では京都大賞典のスイープトウショウ、3歳のアドマイヤムーンあたりが人気を集める混戦模様。どの馬にも可能性があるレースといえる。「年齢的にもこの天皇賞が最後になるだろう」と師も力を込める。
過去、天皇賞・秋は(9)(11)着と結果が出ていないが、「2度とも外枠(15、18番)が響いた。力を出し切っていないから」と師。「本来、中距離が一番合っている。東京の2000mという条件は適していると思う。ケイコは大変だが、レースにいくと別のスイッチが入る馬だからね。いつもと同じ前々の競馬で」
弥生賞、セントライト記念を勝った3歳時からGI候補といわれ続けてきた逸材。ラストチャンスで大輪を咲かせるか、注目だ。