リニューアル後、同枠では映画だけでなく、大型特別ドラマや豪華バラエティーなどのエンターテインメント番組も放送。ただし、洋画を放送する際は「日曜洋画劇場」のタイトルは残すというが、45年の歴史を誇る洋画番組の名称を変更する大英断を下した背景について平城隆司取締役は「昨今の洋画の興行成績(が振るわないから)なのか視聴率が取れなくなっている。12年度に期待して投入した大作がなかなか数字を取れていない」と明かしたが、各局とも似たり寄ったりだというのだ。
「TBSは昨年4月から18年ぶりの映画枠を復活させて『水曜プレミアシネマ』を放送したが、初回の『ライオン・キング』がいきなり5.6%と大コケ。同枠に限らず、日本テレビの『金曜ロードショー』、フジテレビの『土曜プレミアム』も洋画よりも邦画を放送した方が視聴率が伸びる。洋画は放映権料が高い割に視聴率が取れないから、大作以外は各局に不要なコンテンツだが、よほどの大作でも放送時にはすでにDVDやCS・BSで放送されているからわざわざ地上波で放送する価値がない」(映画会社関係者)
国内で公開された洋画の興行収入ランキングの首位は98年公開の「タイタニック」で262億円。01年公開の「ハリー・ポッターと賢者の石」(203億円)、82年公開の「E.T.」(150億円)など上位には大作が並ぶが、2010年以降に公開された作品では10年公開の「アバター」(156億円)、同年公開の「アリス・イン・ワンダーランド」(118億円)など数えるほどで、テレ朝の大英断もなんとなく納得させられてしまうほど邦画が好調で洋画が不調な「邦高洋低」が現状だけに、他局の映画でも洋画の放送が減りそうだ。