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名将モウリーニョの軌跡

 ヨーロッパ最高のクラブチームを決めるチャンピオンズリーグ(CL)が、5月22日レアルマドリードの本拠地サンチャゴベルナベウで行われた。並みいる強豪チームを倒し、決勝の舞台に上がってきたのが、各誌・評論家の予想を覆す2チームであるインテル(イタリア)対バイエルンミュンヘン(ドイツ)だった。結果は周知の通り、モウリーニョ率いるインテルが2-0で勝利、ほぼ半世紀ぶりにインテルに優勝をもたらし シーズン3冠を手に入れた。

 毎回のようにCLで有名になるスター選手・記憶に残るビッグゲームがあるが、なんと言っても今回は、インテルの監督モウリーニョのため大会だったと言っても過言ではないと思う。彼曰く「三流の選手だった」と言って選手生活を終えた後は、体育教師・チームの通訳を務め2000年シーズンからポルトガルの監督に就任。しかし、ここでは結果を得られずチームを去った。この後の彼は、FCポルトでCL優勝、チェルシーではCL優勝こそならなかったがリーグ2冠を達成した。そして監督として初めてUEFAチームオブザイヤーに3度選ばれている名将である。

 決勝戦に話は戻るが、彼の采配はここでもバッチリ決まった。開始15分ぐらいまでは選手の緊張なの、様子を窺うのか両チームとも硬さが見られたが前半35分インテル得意のカウンターからディエゴミリートが先制点、後半25分にこれまたディエゴミリートが2点目を叩き出す。彼の采配で特徴的だったのは先制点が入った後、通常のチームなら前半でもあるので変わらず点を取りに行くと思いきや、トップのミリートやエトーを残しほぼ全員で「守り」に入ったところである。後半に入ってからも、この形をほぼ崩していない。いやもしかしたら、この形で「守りつつ点を取りにいく」最善の方法だったのしれない。相手チームの中心選手ロッペンに厳しくマークをつけ、それ以外は引いて守ると「徹底していた」と思う。そして歓喜の終了のホイッスルを聞くことになった。ただバイエルンはもう一人の中心選手リベリーを出場停止で欠いたことが痛かった。

 この監督ここまで見ると「なんだ、イタリアサッカーの1対0で勝つ守りのサッカーをしているだけじゃないか」と思う読者もいるかもしれない。しかし、実際はそうではない。実際準決勝の強豪バルセロナ戦では3点を「奪い」にいっている。そしてインテルと言うチームは、「多国籍軍チーム」でありスタメンにあまりイタリア人がいない。この監督は「普通」なのだ。ここで言う「普通」は、「各選手の適正を見抜きポジションを与え、相手チームを見てから動きを考え、戦況を窺い試合運びを考える」だけなのだ。(まぁ〜どこかの監督もぜひ見習って欲しいものですが…)

 古巣チェルシー戦に乗り込んだときは、ブーイングを受けると思いきや大歓迎! もちろん優勝したインテルサポーターからは残留の声! しかし、彼はこの後、あの銀河系軍団(古い?)スペインのレアルマドリードの監督に、就任が決まっている。(年俸が11億円だそうだ!)攻撃的で華麗なパスワークをするスペインサッカーに、モウリーニョがどんなサッカーを見せてくれるか早くも楽しみである。

<筆者タケルー、1972年生まれスポーツ全般大好き駆け出しライター。夢はnumberの編集長。高校の後輩に日本代表の中村憲剛と先輩に志村けんがいるのが自慢(共に面識なし)>

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