菊池 いいことだよ。今まで掛け声をかけるヤツはいたけど、実行に移せなかったじゃない。コミッションまではいかなくても、こういう組織を第一歩としてどんどん広げていけばいいんだから。ライセンスに関しては、レフェリーだけでなく、本当はレスラーや団体を含む形が理想だけど、それを一度にやるのは無理だから、徐々に枠を広げていければいいんじゃないかな。これがいいとなれば加盟する団体も増えてくるだろうし、一つの権威を作るためにはいいことだと思うよ。
永島 どこまで広がるか分からないにしても、そういうものはどんどん進めてもらいたいね。ただ、それとリング上の交流はまったく意味が違う。
吉川 闘魂三銃士の25周年記念大会、三沢さんの追悼興行と、団体の垣根を越えたドリームマッチが連続しましたが、一つ懸念されるのは、交流が頻繁に行われれば団体の独自色が薄れてしまう可能性があります。
永島 交流のあり方については、仲良しこよしのボーダーレスのやり方は蝶野の興行(10・12両国)で終わりにしないといけない。今のように、こっちのエースがあっちに出てる、あっちのエースがこっちに出てるとなったらこれは危険な兆候だね。これ以上繰り返したら、失墜した女子プロレスの二の舞いになる。交わるなら選手個人または団体の威信をかけて対抗すべきで、ボーダーレスに交流していくと、お客さんも飽きてしまう。某紙はオールスター戦を推進していたが、今やってもまったく意味がないよ。実際にもうやっているんだし。ただ、武藤も蝶野も小橋も「頻繁にやるべきではない」と冷静に判断しているので、そこは救いかな。
菊池 やっぱり違うカードが出ればファンは興味を持つし、客は集まるよな。だから、つい他団体の選手との試合を組みたくなるんだろうけど、今の3団体はたとえ交流戦があっても、自分たちの団体色を打ち出していくだけの力は持っているよ。ただし、つまらない小物同士の交流はやらないほうがいいし、やるなら年に1回か2回、ドーンとデカイのをやるべきだろうな。