白目を剥いたふりをして笑わせるのは、都内のホステス・マリ嬢(仮名、20代)。
彼女がそんなふうに演じたのは、沖縄県内にある、ベースのクラブでのひとコマだ。要するに、たいていはキマっちゃってた、というわけである。「冷たいのは仕事にならないけど葉っぱとかね」(同氏。以下、同じ)
いろいろ経験があるそうだ。
関係者がいれば、そんなクラブにも入れる。軍人と添い遂げた友人などもいた。
「黒人が目を充血させてナンパしてくるのよ。中にはかわいい子もいた」らしい。
だけどやはり「ちょっとムリ」だったという。ベースというと、イメージとしてはなんとなく年齢層が上な感じもあるが、その有名クラブは、「現役の子がたくさん遊びに来る。みなキマっちゃってた」のだそう。HIP HOPが流れる店内で、大麻だけでなく、ガンジャ…何でも調達できたらしい。MDMAは? と聞くと、「それは少ない」とのこと。
いまは相当厳しいのだろう。
そんな思い出話の中でも、びっくりしたのが、
「沖縄って電車がないでしょ? 男の子は車持ってるだけでモテるのよ」
〔怨み屋〕の人にそっくり、鋭い目とスレンダーな体型がソソるマリ嬢にそう耳打ちされて、いいおっさんの筆者もちょっと興奮した。
都会生活に疲れると、時折そんな故郷を思い出すのだ、という。(了)