ココナッツパンチ(目黒記念2着)、トロピカルライト(欅S2着)を例にとっても、今年の3歳はレベルが高い。ウオッカがダービーを制したように、とくに3歳牝馬は当たり年といっていいのかもしれない。
「内枠だったのでロスなくいけた。さらに前2頭がペースをつくってくれたので競馬がしやすかった」とは、吉田隼騎手のレース後のコメント。道中ロスなく運べたことにより、小回り向きのスピードが十二分に生かされた格好だ。「外から併せられてもよく我慢した。競り合いは強い。最後はその差が大きかった」という通り、勝負根性も光った。
これでクーヴェルは福島コース3戦3勝。国枝師が「いい競馬場だね。秋もここでスプリンターズSを開催してくれればなあ。地域活性化にもなるし(笑)」というのもうなずける。
コース、距離、斤量、展開、枠、少頭数、季節。今回は勝ってくださいといわんばかりの最高条件がそろった上でのハナ差勝ち。真の評価が下されるのは、次走に予定する直千スピード決戦「アイビスSD」(GIII 新潟芝1000m 7月15日)になろう。
2着には芦毛馬シルヴァーゼットが入線。「夏は牝馬、そして、芦毛」。競馬の格言が見事に体現され、2007年の夏競馬が開幕を告げた。